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多様な環境影響評価に資する風送エアロゾル濃度分布情報提供システムの構築(平成 27年度)
Development of an Advisory and Assessment System for the Environmental Impacts of Aeolian Dust

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 5-1502
研究課題コード
1517BA003
開始/終了年度
2015~2017年
キーワード(日本語)
風送ダスト,健康影響,データ同化
キーワード(英語)
Aeolian dust, Health impact, Data assimilation

研究概要

疫学/酸性雨等の環境影響を評価するために応用可能な風送エアロゾル(黄砂)の濃度分布データベースを作成すると共に、ライダー観測網を中心とした黄砂濃度提供システムの質的向上を行い、健康影響の観点から多様な感受性集団に対する行動指針となる情報を提供するシステムを構築する。まず過去数年間の黄砂濃度について、データ同化手法を用いたモデル計算による再解析データセットの作成を行う。これはライダーネットワーク・衛星等の観測データと数値計算モデルとの融合によってアジア域のグリッドデータを作成するもので、観測を反映した濃度分布が計算されることになる。これにより、これまでライダー観測が行われず黄砂濃度の情報がなかったために疫学研究が十分に行われなかった自治体においても信頼性の高い曝露情報が得られ、過去の健康データの再評価を行うことが可能となる。環境省「黄砂による黄砂健康影響調査」においても本データを活用することで、対象地域が拡大しより総合的な評価・検討が可能となる。一方、研究期間中のライダー観測結果をリアルタイムで提供するにあたり、これまで環境省黄砂飛来情報HPにおいて提供していた黄砂濃度以外に、ライダー解析手法の改善や偏光OPCの活用から得られる黄砂の混合状態(内部・外部)に関する情報、数値計算から得られる大気汚染物質の濃度、空気塊が通過してきた地域に関する情報などを付加し、疫学から得られるリスク情報も加味した情報提供を行う。多様な感受性集団に対する情報提供の一環として国民の期待に応え、大気汚染の継続的な観測によって越境大気汚染の実態を把握するための基礎データとする。これら再解析データの疫学等における活用・ナウキャスト提供といった手法を日中韓三ヶ国環境大臣会合のDSS-WGを通じて共有することにより、東アジア域におけるエアロゾルの環境影響に関する研究スタイルのモデルを提示する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

ライダー等を利用した実観測と、数値モデルとを組み合わせ、PM2.5の一成分である風送エアロゾル(黄砂)のアジア域における濃度分布データベースを過去数年分について作成する。これと同時に、現在公開されている黄砂飛来情報(ライダー観測によるリアルタイム濃度情報)に随伴する汚染物質や輸送経路・大気汚染との混合状態に関する情報を付加し、一般向けに提供する内容の質的な向上を図る。以上のデータセットをそれぞれ利用して、小児の喘息等に関する疫学研究を実施し、黄砂や黄砂と汚染物質との混合状態による健康影響を明らかにするとともに、リアルタイムの注意喚起を行うシステムを構築する。以上のフレームワークについて、TEMMのWGなどを通じて東アジア各国で応用されるための提案を行う。
うち、国立環境研究所が担当するサブテーマ1では、黄砂濃度情報をリアルタイムで連続的に取得する他、過去の観測データを他のサブテーマに提供することにより、黄砂再解析データセットの作成に寄与し、最終的にはその結果に基づく再解析データを通じて疫学研究のための基礎資料とする。偏光OPC(パーティクルカウンター)の装置・解析手法の改善を行うとともに、実際に国内外で連続観測を実施し、黄砂濃度を示す指標を開発するとともに他のサブテーマに対してデータ提供を行う。他のサブテーマから提供される黄砂に随伴する汚染物質・空気塊経路・感受性集団別リスク情報などを統合して一般向けにリアルタイム提供を行うシステムを開発する。

今年度の研究概要

作成予定の最終的なプロダクトに関する設計を行うと共に、必要な環境の整備を行う。具体的には、ライダー観測の解析結果から出力されるパラメータから疫学研究において必要とされる時間高度範囲や分解能を検討し、解析手法の改善を行う。同様にエアロゾル再解析データの作成にあたり疫学研究などの利用者側ニーズを検討し、最も利用価値の高いデータセットの要件を策定する。疫学研究においては、過去の健康データの整備を行うと共に混合状態などを含んだライダー観測・偏光OPC観測のリアルタイム利用手法を検討し、実システムの設計を行う。
うち、国立環境研究所が担当するサブテーマ1では、各地のライダー・POPCによる連続観測を行う。ライダーで地表付近のデータをより高精度で取得するため近距離観測用小型望遠鏡をシステムに組み込むと共に、粒子の混合状態を示すための定常的な解析手法の開発を行う。過去のライダー観測結果をサブテーマ(2)へ提供する。偏光OPCについて、ライダーによって見積られる黄砂量との対応関係を明らかにする。

外部との連携

サブテーマ内で山梨大学と協力、またサブテーマ(2)は気象研究所、サブテーマ(3)は京都大学が担当する。

関連する研究課題
  • 0 : 地域環境研究分野における研究課題

課題代表者

清水 厚

  • 地域環境研究センター
    広域大気環境研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 物理学,地学
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担当者