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里地・里山の生物多様性・生態系サービス指標および評価手法の開発(平成 27年度)
Development of indicators and evalution methods for biodiversity and ecosystem services in SATOYAMA

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1417CD004
開始/終了年度
2014~2017年
キーワード(日本語)
生物多様性,生態系サービス
キーワード(英語)
biodiversity, ecosystem services

研究概要

農地・森林・湿地(河川を含む)・草原などを含む「里地・里山」およびその構成要素である森林や湿地は、異質なパッチから成り立つ複合生態系(モザイク)である。複合生態系における生物多様性の現状の評価と保全・自然再生のモニタリングに資する指標と評価法の開発は、生物多様性に関する国際的目標および国家戦略の実現に向けて、喫緊の社会的課題となっている。本研究では、地域および国の生物多様性に関する計画の立案やモニタリングに利用可能な、生物多様性モニタリングのための指標として、リモートセンシングによって把握する森林の生物多様性指標、特定の地点で捕捉可能な昆虫群集の多様性および授粉にかかわる生態系サービスの評価手法、生物多様性への主要影響要因の分析法などを、生物多様性地域戦略にもとづく保全活動もしくは自然再生推進法にもとづく自然再生事業が実施されている地域(北海道黒松内町、岩手県一関市、兵庫県豊岡市等)をモデル対象地域とし、そこでのニーズに合う形で開発し、その効果を確かめる。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究は複数の研究者が共同して行うものであり、自然環境モザイクの生物多様性の保全・再生の計画立案とモニタリングに必要とされる生物多様性指標と評価手法を、実際に保全・再生の実践が進められている地域をフィールドとし、そこでの事業や実践に即した形で研究を進めるものであり、「森林モザイクにおける生物多様性重要域の抽出のための指標の開発」、「リモートセンシングによる湿原の生物多様性評価手法」、「生物多様性への影響要因を評価するためのLost Biodiversity Approach」、「森林-淡水生態系の昆虫群集評価手法」、「淡水魚類群集における種おおび群集の指標」の6 つのサブテーマに取り組む。すなわち、リモートセンシングで森林や湿地のモザイクのなかから生物多様性保全上重要なパッチや領域を見いだす手法については、対象モデル空間において詳細なグランドトゥルースを行なって科学的な妥当性を確かめ、地域における計画等に反映させる研究成果は計画立案など現場に適用し、指標および評価法としての有効性を確かめた上で、広域的な展開を念頭において一般化をはかるとともに、その社会的な意義を検証する。吉岡は主に景観生態学的手法によるデータ分析を担当し、「Lost Biodiversity Approachによる生物多様性への影響要因の評価」、「森林‐淡水生態系の昆虫群集の多様性評価法の検討」、「生物多様性・生態系サービスの指標としてのニホンミツバチの可能性探索」等のサブテーマに寄与する。

今年度の研究概要

引き続きLost Biodiversity ApproachやSatoyama Index等の生物多様性の評価指標・手法やそれを改善したものが適応可能な既存のデータを探索するとともに、北海道黒松内町や岩手県一関などにおける昆虫類等の調査について助言、解析の補助を行う。得られたデータに関して、適切な評価指標や評価手法を応用し、その有効性を検討する。

外部との連携

本研究は研究分担者として参画するものであるため、東京大学と連携して行う。なお、研究代表者は鷲谷いづみ (東京大学農学生命科学研究科教授) である。

また、この研究課題は「耕作放棄が景観の不均一性と生物分布の関係に与える影響」とも連動して行う。

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

吉岡 明良

  • 福島地域協働研究拠点
    環境影響評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士(農学)
  • 農学
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