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地域環境研究分野の概要(平成 28年度)
Regional Environmental Research

研究課題コード
1620FP040
開始/終了年度
2016~2020年

研究概要

人間活動による環境負荷に起因し、大気、水、土壌などの環境媒体を通して、人・生態系等に影響を及ぼす地域環境問題を解決し、もしくは、環境問題の発生を未然に防止するためには、各々の問題の発生構造を多層的・科学的に理解し、持続的社会の構築も見据えて総合的かつ実効的な解決策を見出し、更には地域において適用して行くための調査・研究を実施する必要がある。一方、地域の多様性を考慮し、快適で魅力的な地域環境を創造することにより、付加価値の高い地域づくりに貢献する創環境研究の重要性が高まっている。
そこで、国内及びアジアの大気、水、土壌などの環境圏で発生する、国を越境するスケールから都市スケールの地域環境問題を対象に、観測・モデリング・室内実験などを統合した研究によって発生メカニズムを科学的に理解するとともに、問題解決のための保全・改善手法の提案と環境創造手法の検討を進め、最終的にこれらを総合化することにより、地域環境管理に資する研究を推進する。
具体的には、アジアを中心とする海外及び国内の大気環境評価・大気汚染削減、陸域・海洋環境の統合的評価・管理手法、流域圏環境の保全・再生・創造手法、都市・地域のコベネフィット型環境保全技術・政策シナリオ、快適で魅力的な地域環境の創造手法などに関する研究を推進すると同時に、地域環境変動の長期モニタリングを実施する。
以上の調査・研究を推進することにより、以下の方向を目指す。
(1) 広域大気環境管理の推進に貢献するよう、東アジアの広域越境大気汚染を対象に、観測とモデルを統合して、半球/東アジア/国内のマルチスケール大気汚染の実態を解明し、越境大気汚染の国内への影響評価手法を確立する。
(2) 陸域・海洋の統合環境管理施策の立案に貢献するよう、陸域の人間活動が、水・大気圏を経由して東シナ海・日本近海の海洋環境に及ぼす影響を観測とモデルにより解明し、陸域負荷変動に対する海洋環境の応答をマルチスケールで評価する。
(3) 流域圏の保全・修復に貢献するよう、流域圏における生態系機能及び関連環境因子の定量的関係を、窒素・炭素等の物質循環の視点から評価する。
(4) 地域環境の問題解決と創造に貢献するよう、都市・地域大気環境や流域圏環境の保全・再生・創造に係る基盤的・分野横断的研究を実施すると共に、都市・地域のコベネフィット型環境技術システムを開発し、その社会実証プロセスを提示する。
(5) 大気環境や水環境の長期モニタリングを実施し、地域環境変動を把握する。

課題代表者

今井 章雄