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対流圏エアロゾルの監視・予測・警報システムの構築に関する研究(平成 28年度)
Study on construction of monitoring, forecasting, and warning system for tropospheric aerosol events

予算区分
TH JST-SATREPS
研究課題コード
1216KB002
開始/終了年度
2012~2017年
キーワード(日本語)
エアロゾル,ライダー,観測ネットワーク,火山噴煙,鉱物ダスト
キーワード(英語)
aerosol, lidar, observation network, volcanic ash, mineral dust

研究概要

アルゼンチン共和国レーザー技術研究所(CEILAP)と共同で、観測の空白域である南米アルゼンチン、チリに、対流圏エアロゾルイベント(パタゴニアダスト、火山噴煙、森林火災、広域大気汚染など)を監視するためのライダー観測ネットワークと、観測データを用いた予測、警報システムを構築するための研究を行う。観測ネットワークのシステムの整備はJICA技術協力プロジェクトによりアルゼンチン側で実施し、本研究では、観測ネットワークの構築のためのライダー技術およびネットワーク観測技術と、エアロゾルイベントの予測・警報のためのデータ解析手法、データ利用手法の研究を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

上位課題「南米における大気環境リスクに対応する社会システムの開発」では、対流圏エアロゾルと成層圏オゾンについて、観測の空白域である南米における観測ネットワークを構築するとともに、オゾンホール、パタゴニアダスト、火山噴煙、森林火災などのエアロゾルなどのリスクの予測と警報のための社会システムの構築を目指している。本研究では、このうち対流圏エアロゾルの部分の研究を行う。観測ネットワークのシステムの整備はJICA技術協力プロジェクトによりアルゼンチン側で実施し、アルゼンチン、チリの5地点のライダーから構成されるネットワークを構築する。本研究はそのための基礎となるライダー技術、ネットワーク観測技術の研究を行う。これによって、5地点における高度18kmまでのエアロゾルを昼夜連続して測定し、準リアルタイムにブエノスアイレスのCEILAPにデータを転送し、エアロゾル種毎の高度分布の解析・表示を行うとともに、エアロゾル輸送モデルの検証・同化のためのデータを準リアルタイムで提供する。さらに、エアロゾルイベントの予測と警報のための手法の研究を行う。

今年度の研究概要

ブエノスアイレスにおいて、2台目の高スペクトル分解ライダーを完成し、一台をアルゼンチン北部(コルドバ)に移設して、連続観測を開始する。また、チリ、プンタアレナスのラマン散乱ライダーによる観測を開始する。既設のラマン散乱ライダーと合わせて、ネットワーク観測を実施し、エアロゾルの分布および光学的特性を明らかにする。一方、2015年に観測したカルブコ火山の噴煙の事例について、輸送モデルとの比較等を進め、噴煙輸送を解析するとともに、ライダーネットワークとモデルを合わせて航空機の運行の安全に有用なデータを提供するための手法を検討する。また、データ伝達の方法やシステム等についての検討を行う。

外部との連携

本課題は下記の地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の上位課題のサブテーマのひとつである。
上位課題名:南米における大気環境リスクに対応する社会システムの開発
研究代表者:水野亮(名古屋大学・太陽地球環境研究所)
相手国研究機関:アルゼンチン共和国、レーザー技術研究所(CEILAP)

関連する研究課題

課題代表者

杉本 伸夫

担当者