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アサリに寄生し漁業被害を与えるカイヤドリウミグモの寄生生態・進化に関する研究(平成 28年度)
Study on the parasitic ecology and evolution of sea spider, which parasitics in clam and causes fishery damage.

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD004
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
カイヤドリウミグモ,寄生,漁業被害
キーワード(英語)
Sea spider, parasite, fishery damage

研究概要

本研究では、アサリ等の二枚貝に内部寄生し、一部地域で漁業被害を引き起こしている海産節足動物カイヤドリウミグモについて、寄生がもたらす生態系への影響を野外調査と野外実験で生態学的に評価し、特に漁業被害を引き起こした大発生の要因と起源を生態学的及び集団遺伝学的手法で解明する。
 また比較形態学及び分子系統学的手法により、カイヤドリウミグモの系統分類学的問題を解決し、ウミグモ類の生活史における二枚貝寄生性の起源を進化学的に解明する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

 本研究目的の達成のために、以下の内容の研究を実施する。
・地中海産種と日本産種との系統分類学的解析と、地中海産種についての生態調査。
・各産地の個体群の由来を解明し、大発生の起源を明らかにするための集団遺伝学的解析。
・ウミグモの生活史における寄生性の進化的起源を解明するための、分子系統学的解析。
・宿主に対する寄生の影響を解明するための、強制感染法による室内実験。
・生態系に対する寄生の影響を解明するための、野外観察と野外実験。

今年度の研究概要

各産地の個体群の由来を解明し、大発生の起源を明らかにするための集団遺伝学的解析を進めるため、前年度迄に開発した13種類のマイクロサテライトマーカーを利用して、三河湾、東京湾、及び三浦半島の個体群を中心に各地域の集団遺伝構造の解析を行い、それぞれの地域個体群の由来や移入時期の推定を目指す。
また、形態形質の検討より、カイヤドリウミグモ属の3種(日本産、地中海産、アフリカ南部産)が全て同種である可能性が出てきたため、日本産以外の2種について標本の入手に努め、分子系統解析による種分類の再検討を行う。

外部との連携

宮崎勝己(京都大学、科研費課題代表者)、冨山毅(広島大学)、山田勝雅(水産研究・教育機構・西海区水産研究所)

課題代表者

玉置 雅紀

  • 生物多様性領域
  • 領域長
  • 博士(農学)
  • 生物学,農学,生物工学
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