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海産生物の生活史初期における硫化水素および貧酸素の生態影響解明のための室内試験法の開発(平成 28年度)
Development of testing methods for elucidating impacts of hydrogen sulfide and hypoxia on early life history of marine megabenthic organisms

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
1616AH001
開始/終了年度
2016~2016年
キーワード(日本語)
硫化水素,貧酸素,底棲魚介類,初期生活史
キーワード(英語)
hydrogen sulfide, hypoxia, megabenthos, early life history

研究概要

わが国の沿岸域においては栄養塩負荷の総量規制の実施により全窒素・リン濃度の減少など水質改善の傾向が認められている。しかし、各地の沿岸域において貧酸素水塊の面積規模拡大および発生期間の長期化が生じており、また生物量の減少や、種組成の単調化など生物相の衰退が観察されている。さらに硫化物を含有する貧酸素水塊の湧昇により生じる青潮にともない、浅海域の生物の大量斃死も生じている。こうした状況を鑑みると、貧酸素水塊や硫化物が生物の生残や再生産に悪影響を及ぼしているものと推察されるが、そのメカニズム解明のためには現場観測を行うとともに、室内実験による検証も実施する必要がある。貧酸素および溶存態硫化物(硫化水素、硫化水素イオン、硫黄)が海産生物に及ぼす影響を明らかにするための室内実験に関しては、これまでに国内外において多くの研究事例がある。しかし、生物に対して毒性の強い硫化水素の単体に限っての生態影響評価については、硫化水素濃度の測定が困難であったため、研究例は殆ど無い。本研究では、近年開発された硫化水素センサーを利用し、飼育下において硫化水素を海産生物に曝露する室内試験法を開発し、斃死や行動異常等を引き起こす硫化水素濃度を明らかにすることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

海産生物の生活史初期段階(卵・仔稚・幼生)の幼若個体を対象として、止水状態で硫化水素に一定期間曝露し、生態影響を調査するための実験系を構築する。
実験系を用いて幼若個体を貧酸素・硫化水素含有海水に曝露し、斃死や行動異常等を引き起こす硫化水素濃度を明らかにする。

今年度の研究概要

生活史環において環境ストレスへの感受性が高く、斃死の程度が個体群密度の増減に大きく影響する生活史初期段階(卵・仔稚・幼生)の幼若個体を実験対象とする。
幼若個体を収容し、密閉状態で正常海水から貧酸素状態かつ硫化水素を含有する海水への水塊交換を行い、一定期間に止水状態で収容した生物の反応を観察するための実験系を構築する(国立環境研究所)。

生活史初期段階で内湾浅海域・干潟に棲息し、貧酸素および硫化水素の影響を受ける可能性のある海産生物(二枚貝のアサリや甲殻類のヨシエビなどを想定)を実験対象とする。実験に供する幼若個体は、成熟個体を購入して愛知県水産試験場において人工的に授精を行い獲得、または愛知県栽培漁業センターが生産する放流用種苗の提供を受ける。得られた幼若個体を愛知県水産試験場内の大型水槽において育成し、各成長段階において実験用の個体を供給する(愛知県水産試験場)。

幼若個体の各成長段階において貧酸素・硫化水素含有海水への曝露実験を行い、斃死や行動異常等を引き起こす硫化水素濃度を明らかにする(国立環境研究所・愛知県水産試験場)。

外部との連携

愛知県水産試験場と連携して実施

関連する研究課題

課題代表者

児玉 圭太

  • 環境リスク・健康研究センター
    生態系影響評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士(農学)
  • 水産学,生物学
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担当者