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地球温暖化に関わるブラックカーボン放射効果の総合的評価
(平成 28年度)
A study for the radiative forcing of black carbon

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 2-1403
研究課題コード
1416BA003
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
エアロゾル,個数濃度,粒径分布,化学組成
キーワード(英語)
aerosol, number concentration, size distribution, chemical composition

研究概要

メタンについで3番目に大きな放射強制力をもつブラックカーボンBCの排出量削減は、有効な温暖化対策となる可能性がある。しかし我々のH23-25年度の推進費の研究成果も反映されたBC気候影響の国際アセスメントにより、BCの気候影響の推定には大きな不確定性があることが示された。その最大の不確定要因は、BCと共に排出される他の無機・有機エアロゾル成分の複合効果であるが、その効果の本格的な解明・評価は今後の課題として残されている。 
本研究の目的は、BCの排出量を削減した時に同時に排出量が減少するBC以外のエアロゾル成分の効果を含めた複合的なBC放射強制力の評価を初めて実施することである。無機・有機のエアロゾルはBCと内部混合することにより、BC放射強制力の根幹に関わる光吸収量の増幅(レンズ効果)とBCの大気中の寿命の短縮(吸湿特性の増加)、さらには雲形成にも影響する。本研究ではこれらの重要プロセスの評価のために、BCの混合状態、吸湿特性、降水中のBC測定など、これまで全く行われてこなかった画期的な観測を実施する。また数値モデル計算で再現が困難であった有機エアロゾルについて、新しい計算手法を導入し影響の定量化を実現する。これらのBC放射強制力の不確定性の主要因を克服した新たな領域数値モデルにより、アジアのBC放射強制力を評価する。また本質を損なわないパラメタリゼーションを開発し、グローバルモデルにより全球の評価を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

エアロゾルの粒径分布と化学組成の測定を行い、有機エアロゾルモデルの検証、BC放射強制力評価のための基礎的データを収集する。

今年度の研究概要

北部九州(福江など)での粒子の化学組成データを追加で取得する。データを整理し、有機エアロゾルモデルの検証、BC放射強制力評価のための基礎的データをモデルグループ(サブテーマ1など)に提供する。

外部との連携

東京大学 小池真准教授 (研究代表者) 、気象研、JAMSTEC

関連する研究課題

課題代表者

高見 昭憲

  • 地域環境保全領域
  • 領域長
  • 博士(D.Phil)
  • 化学,化学工学
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