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廃棄物発生抑制概念のシステム分析と社会応用(平成 28年度)
System analysis on waste prevention concept and its social application

予算区分
BE 環境-推進費(補助金)
研究課題コード
1517BE002
開始/終了年度
2015~2017年
キーワード(日本語)
廃棄物抑制,有害物質
キーワード(英語)
waste prevention, hazardous substance

研究概要

 循環型社会形成に向けては、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の観点が重要となっている中、リサイクルについてはこれまで個別リサイクル法をはじめとした全面展開で成果を挙げてきている。しかし、より優先度の高いとされる2R(リデュース、リユース)に関しては、その位置づけや具体的な政策展開に乏しく、食品リサイクル法における業種別減量目標の展開に限られるのが現状である。第三次循環基本計画においては、質にも着目した循環型社会の形成のために「リサイクルより優先順位の高い2Rの取組みがより進む社会経済システムの構築」が掲げられているところである。しかしながら、廃棄物の発生抑制の方法や効果に関する定量的な研究には、ほとんど手が付けられておらず、多くの2R方策の取組効果に関する解析が望まれているところである。

 本研究においては、発生抑制政策に関する国際比較研究により発生抑制概念と指標開発の動向を把握し、発生抑制の効果解析にフロー動態&ライフサイクル分析手法によって取り組む。その具体的対象は、特に発生抑制効果が大きいと考えられる、生ごみや食品ロス、使い捨て乾電池や二次電池、廃自動車に関連する種々のパーツとする。これらの検討対象に対して、発生抑制の観点からライフサイクルの視点に立った物質フローを解明し、発生抑制策によるフロー変化ならびに環境影響や経済性への発生抑制効果を定量化する手法を研究する。これらに加え難燃剤等樹脂添加剤や鉛、銀等の特定の有害物質・資源性物質を念頭においた製品やリサイクル物全般を対象として、新たな抑制対象となる廃製品や環境排出の場を調査する。そして、発生抑制の社会応用に関するケーススタディについて検討し、有効な発生抑制策とその抑制策の取組進捗を管理・把握できる指標群を提案することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

 本研究においては、?発生抑制概念と指標の開発、?発生抑制のフロー動態&ライフサイクル分析、?発生抑制の社会応用に関するケーススタディ、を行う。発生抑制概念と指標開発では、海外や国内の先見事例を把握するために、欧米やアジアの政策担当者や廃棄物研究者との情報交換や意見交換を行い、先行している発生抑制概念や計画・目標とその進捗管理、評価指標に関する知見を集約する。また、発生抑制策の類型化を行うことで、期待される減量効果の算定モデルのあり方や抑制策と実施者との紐づけ方法に関する整理を行う。

 フロー動態&ライフサイクル分析では、特に発生抑制効果が期待される1)生ごみや食品ロス、2)使い捨て乾電池や二次電池、3)廃自動車に関連するパーツを対象に、ライフサイクルの視点に立ったフロー分析による実態把握と、機能等価の考え方に基づいた発生抑制策が及ぼすフロー変化への影響や期待される抑制効果の定量化を行う。この際、重量への抑制効果に加えて、温室効果ガスやエネルギー効率、有害物質等がもたらす環境負荷としての低減効果、経済的側面への影響や効果を算定する。また、環境負荷抑制の観点から難燃剤や鉛、銀、等の有害物質・資源性物質の含有について、製品やリサイクル物全般を念頭において、事実発見的なフィールド研究にも取り組む。

 発生抑制の社会応用に関するケーススタディでは、京都市におけるごみ組成調査、抑制・分別条例に関するアンケート調査やモニター調査等の実証試験を通じて、発生抑制策を社会に適用することの効果や事業者・消費者の問題意識、政策展開上の克服すべき課題点について論考する。最後に、一連の研究を通じて有効な発生抑制策とその抑制策の取組進捗を管理・把握できる指標群を明示し、より質に重点をおいた循環型社会実現への提案をめざす。

今年度の研究概要

 有害物質や資源性物質の側面から発生抑制の対象となる可能性のある製品やリサイクル物を中心に、発見的、探索的フィールド研究を進める。具体的対象としては、プラスチック製品(玩具など)や使用済自動車回りのパーツなどを考えている。例えば、資源性物質として着目される銀はこれまで幅広く使用され続けているが、金属としてだけでなく銀イオンや銀ナノ粒子等の多様な形態で環境中に排出され有害性の懸念もある。これらの有害物質・資源性物質はフロー分析のための含有実態、環境排出実態の把握が肝要である。そこで、関連する製品・廃製品を対象に化学分析を行い、POPsや銀、レアアースをはじめとする有害物質・資源性物質の使用・混入実態を明らかにする。

外部との連携

研究代表者:酒井伸一 教授(京都大学)、研究分担者:平井康宏 准教授(京都大学)、浅利美鈴 助教(京都大学)、国末達也 教授(愛媛大学)、高橋 真 准教授(愛媛大学)、由田秀人 取締役(日本環境安全事業(株))、山田哲士 局長(京都市環境政策局)

課題代表者

梶原 夏子

  • 資源循環・廃棄物研究センター
    基盤技術・物質管理研究室
  • 主任研究員
  • 博士 (学術)
  • 化学
portrait

担当者

  • 鈴木 剛資源循環・廃棄物研究センター