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精密質量データ解析法の開発と環境化学物質モニタリングへの応用(平成 28年度)
Development of analysis method of accurate mass data for monitoring chemicals in environment

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1416CD023
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
ノンターゲット分析,精密質量,環境監視,異常検出,多次元ガスクロマトグラフィ
キーワード(英語)
non-target analysis, accurate mass, environmental monitoring, detection of abnormal, comprehensive multi dimensional gas-chromatography

研究概要

本研究では,ガスクロマトグラフ-高分解能飛行時間型質量分析計(GC-HRTOFMS)の環境分野への活用の高度化を図り,研究分野の開拓に繋がる手法の開発を目指す。
そのために,GC-HRTOFMSの能力を最大限活用した物質の検索・同定が可能な高精度な網羅的分析法や,物質組成や量の変化を高感度に検出・識別できる精密質量データの解析法を提案し,測定データからの物質の発掘や検索・同定において精密質量データを用いることの優位性を明らかにすることを目的とする。
ケーススタディとして,廃棄物処分場,環境監視地点などにおける大気および水環境中の化学物質の網羅的モニタリングおよび異常検出とその原因解析を行い,提案する手法の妥当性と有用性について明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

廃棄物処分場,環境監視地点などにおける化学物質監視をケーススタディとして,?網羅的化学物質モニタリングに適したサンプリング法の開発と改良,?GC(×GC)-HRTOFMS による網羅的分析条件の決定とモニタリング試料の測定,?それにより得られた精密質量測定データの類似度と差異を検出する解析法の開発とその応用,?可能な限りの物質検索と未知物質の同定を通して網羅的な化学物質情報を蓄積し,これと常時監視項目やその他の化学物質およびWET 情報などとを比較考察する。最終的に,精密質量データを用いた化学物質モニタリング法および解析手法を提案し,化学物質の監視,並びに事故・災害時などに迅速に対応できるモニタリング手法の有用性と精密質量データを用いることの優位性について明らかにする。

今年度の研究概要

 前年度に引き続き、埼玉県の大気監視局および水質監視地点などからの大気,水質のモニタリング試料について,GC(xGC)-HRTOFMSを用いた精密質量測定を行い,情報を蓄積する。これらの測定データについて,精密質量データを用いた物質検索や同定,精密質量データによる化学物質全体の類似度や差の解析法を開発する。特にデータ比較法として、非負値行列因子分解(NMF)法を応用し、ノイズの除去と差の検出を試みる。
 これまで開発してきた試料採取、試料抽出、測定法を組み合わせ、精密質量モニタリングデータによる常時定義や差の検出の能力を整数質量データや公定法分析結果と比較することにより評価し、その有効性を検証する。

外部との連携

統計数理研究所、北海道環境科学研究センター、新潟県保健環境科学研究所、埼玉県環境科学国際センター、千葉県環境研究センター、大阪市環境科学研究所、広島県保健環境センター、産業技術総合研究所。

課題代表者

橋本 俊次

  • 環境リスク・健康領域
    計測化学研究室
  • 室長(研究)
  • 学術博士
  • 農学,化学
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担当者