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活性特異的濃縮基材と精密質量数による内分泌かく乱化学物質のスクリーニング法開発(平成 28年度)
Development of an endocrine disruptor screening system using molecular imprinting materials and exact mass spectrum

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 5-1552
研究課題コード
1517BA007
開始/終了年度
2015~2017年
キーワード(日本語)
エストロゲン活性,分子鋳型,データベース
キーワード(英語)
estrogenic activity, molecular imprinting, database

研究概要

 化学物質の内分泌系への作用に関する研究として、環境省はEXTEND2010を策定し、主としてin vivoによる環境リスク調査を推進している。一方で化学物質の持つ内分泌かく乱作用を評価するには、最終的に魚類や哺乳類のin vivo試験に供するため、1物質1億円ほど必要であり、その優先順位付けは極めて重要である。
 一方、分子鋳型に化学物質が保持されるメカニズムは、内分泌かく乱物質が受容体と結合するメカニズムと酷似している。本課題では、比較的容易に作製可能な「リガンドと類似構造を持つ物質を広く保持する鋳型」を作製し、これへの保持力を分析化学的に測定することで受容体結合活性の一次スクリーニングを実現することを第一の目的とする。またこの分子鋳型を使用することで、環境媒体中に存在する内分泌かく乱物質の迅速同定定量を実現することが第二の目的である。受容体結合活性結果から陽性を示した物質の精密質量データベースを構築しておき、迅速同定・簡便測定を実現するものであり、曝露濃度側からin vivo試験に供すべき物質の優先順位付けに資するものである。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究では、化学物質の活性構性相関に基づく固相抽出基材を用いる受容体結合活性=内分泌かく乱作用の一次スクリーニング手法の開発を目的とする。また、同基材を用いて環境中の内分泌かく乱化学物質のオンライン迅速同定定量システムを構築する。本研究は(1)活性物質多段階精密質量データベースの作成及び内分泌かく乱化学物質の迅速同定定量システム構築、(2)活性選択的濃縮基材の作製とそれを用いた一次スクリーニングシステム構築、の2つのサブテーマからなる。
これらの成果から、選択的分子鋳型吸着剤による物理化学的影響スクリーニング、活性物質精密質量データベース迅速スクリーニングを一連の影響評価手法として用いることで、化学物質およびそのミクスチャーの迅速な環境・健康リスク評価の実現と、内分泌かく乱作用in vivo試験への優先順位付けを支援するシステムの開発を目指す。

今年度の研究概要

(1) 環境試料を用い、濃縮基材通過前後の各試料をLC-QTOF分析に供した際の、両者の差分ピークの検出法を開発する。また前年度に作成した活性物質データベースを解析ソフトへの搭載を検討する。更に前年度にLC-TOFで検出できなかった物質はGC-MSなど他の分析系での補完を目指し、その分析条件を検討する。
 年度後半にはサブ(2)から提供を受けた濃縮基材プロトタイプを用い、未知環境試料を概ね50検体スクリーニングし、吸着画分及び溶出画分を酵母アッセイにより評価し、実環境試料及び未知試料での吸着特性を評価すると共に、検出されたピークの多段階精密質量データベースでの検索を試行する。データベースにヒットしなかったピークについては、活性データベースへの収載を目指して順次同定作業を行う。
(2) 前年度に得られた複数の濃縮基材に対して、すでに生理活性の陽性・陰性が報告されている物質について吸着選択性を評価し、生理活性との相関を考察するとともに、分子モデリングから得られる各物質の立体配座およびNMR、FT-IRから得られた化学的相互作用に関する情報から、生理活性選択性を有する濃縮基材構成の最適化を図る。
 また、最適化された濃縮基材をカートリッジ化しサブ(1)へ提供する。この結果を濃縮基材合成にフィードバックし、高活性選択性を有する濃縮基材合成を達成する。

外部との連携

京都大学

課題代表者

中島 大介

  • 環境リスク・健康研究センター
    曝露影響計測研究室
  • 主席研究員
  • 博士(薬学)
  • 薬学,化学
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担当者