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日本の農業政策に関する実証研究〜農業部門の非効率性および経済厚生への影響(平成 28年度)
Empirical Study on Japanese Agricultural Policy - Inefficiency in Agricultural Sector and Impact on Social welfare

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD017
開始/終了年度
2016~2018年
キーワード(日本語)
農業政策,作物選択,確率フロンティア分析,包絡線分析
キーワード(英語)
Agricultural policy, Crop Choice, Stochastic Frontier Analysis, Data Envelope Analysis

研究概要

わが国では、コメに対する高関税と生産調整によって、小規模で効率性の低い兼業農家が維持されてきた。消費者は低い効率性の下で生産されたコメを高い価格で買い、コメの保護政策がなければ農地集約が進んでもっと効率的に生産されたはずの野菜や果物も高い価格で買っている。つまり、多額の国費を投入して作物選択を歪めてきた結果、日本全体としての経済厚生は低下している。そこで本研究では、
1.日本の農業経営体の効率性評価を行い、効率性の高い農家の割合を明らかにする。その上で、生産効率性改善のための方向性を示す。
2.規模の経済性が働かないことによる農業部門全体の非効率性を計測する。
3.農業経営体の作物選択のメカニズムを明らかにし、保護政策を止めた場合の作物選択をシミュレーション分析を行う。これにより、小規模零細農家の保護による非効率性を明らかにし、コメ・野菜・果物の生産がどれだけ過剰・過少になっているかを示す。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

初年度には、農林業センサスを用いて、包絡線分析(Data Envelope Analysis:以下DEA)・確率フロンティア分析(Stochastic Frontier Analysis: 以下SFA)による生産関数と、作物選択モデルのプレ推計と農家アンケート調査票の設計を行う。2年度目には、東京近郊の農家を対象としたアンケート調査を実施する。3年度目には、アンケート調査に基づいたDEA・SFAによる生産関数と、作物選択モデルの本推計と推計されたモデルによるシミュレーション分析を行う。

今年度の研究概要

(1)データ収集:以下のデータを収集し、統計分析に使用できるよう整備する。農林業センサスのオーダーメイド集計データ(農林水産省)、宅地販売価格、用地別固定資産税率、相続税率、降水量、気温、農産物出荷先情報、品目別名目保護率
(2)農林業センサスを用いた分析フレームワークの検討と調査票設計:平成29年度に実施する農家アンケートの設計の準備として、農林業センサス2015の農家戸別の品目別作付面積、販売額、経営形態の別、農業従事者の人数と日数等のデータを用いて、生産関数の推計を確率フロンティア分析(Stochastic Frontier Analysis: 以下SFA)により実施する。同時に、包絡線分析(Data Envelope Analysis:以下DEA)および、作物選択メカニズムに関するプレ推計を実施する。推計結果に基づいて、平成29年度に実施するアンケート調査の調査票を設計する。
次に、得られた生産フロンティアを使って、最適生産規模を実現した際に、日本の農業部門の生産性がどの程度上昇するかをシミュレーション分析する。農業経営体が全てフロンティア上にいると仮定し、その上で、最適生産量を達成した際の生産性を評価する。また、販売している品目の組み合わせによって選択肢セットを作成し、混合ロジットモデルや条件付きロジットモデルを使って作物選択モデルの推計を行う。作物選択は、土壌、気温等、作物の成育条件による影響を強く受けると考えられるため、地域別にサンプルを分けて分析を行う。また、先行研究(Honma and Hayami 1986、Honma(1993)山口・張(1998)、 高橋(2010))にならって説明変数に品目ごとの保護率を計算し、説明変数に加えることによって、保護政策によって作物選択が政策作物に偏っていることを定量的に示す。

外部との連携

堀江哲也(上智大学、研究分担者)tetsuya.horie.sophia@gmail.com
日引 聡(東北大学、研究分担者)ahibiki@econ.tohoku.ac.jp

課題代表者

岡川 梓

  • 社会環境システム研究センター
    統合環境経済研究室
  • 主任研究員
  • 博士(経済学)
  • 経済学
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