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Digital DNA chipによる生物多様性評価と環境予測法の開発(平成 28年度)
Development of biodiversity evaluation and environmental forecast with digital DNA chip

予算区分
TA JST-CREST
研究課題コード
1116TA001
開始/終了年度
2011~2016年
キーワード(日本語)
ピコプランクトン,生物多様性,フローサイトメトリ
キーワード(英語)
picoplankton, biodiversity, flowcytometry

研究概要

ピコサイズの植物プランクトンは海洋環境の基礎生産者としての重要性に加えて、進化・系統的多様性が高く、未知未培養性の種を多く含むことが知られる。東北沿岸海域のピコ植物プランクトンの多様性解明とメタゲノム情報を補完するレファレンスゲノムの収集を目的として、以下の研究に取り組む。
(1)微生物保存株の長期保存に使われている凍結保存法を現場環境試料に適用することで、現場環境の微生物多様性を長期・安定的に保存して、再現性の高い、詳細な多様性研究を展開する。
(2)現場環境で優占するピコ植物プランクトンを対象として、フローサイトメトリを活用した優占種の培養株確立とメタゲノム解析や分類学的研究等の多様性研究を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

東北地方を襲った大地震及び津波の沿岸域における海洋生物の多様性や海洋生態系への影響を把握することを目的に、微生物叢DNAの網羅的解析法と環境モニタリング法の開発を行う。被害のあった東北沿岸と被害の無かった海域に定点を定め、本研究課題で開発される研究手法を用いて、物理環境と海洋生態系の基礎となる微生物DNA叢のモニタリングを行い、それらを比較検討することによって、微生物叢の変化や環境回復の程度等を生物多様性の観点から評価するためのモニタリングと環境研究基盤の整備に取り組む。

今年度の研究概要

東北海域の観測定点において収集された試料のピコ植物プランクトンを対象として、メタDNAバーコーディング情報の取得、解析を引き続き行う。観測定点間、季節間のOTU組成や類似度等の比較解析から、微生物群集構造の変動パターンについて明らかにするとともに、他の研究グループで出されたメタゲノム解析の結果との比較検証を共同で行う。更に同観測定点における珪藻ブルーム等のイベント時の試料を用いて、メタトランスクリプトーム解析を行う。珪藻ブルーム等のイベント時に特徴的な機能遺伝子に関する情報を取得することで、イベント時のDNAチップの検証や精度向上に役立てる。

備考

継続課題

課題代表者

河地 正伸

  • 生物多様性領域
    生物多様性資源保全研究推進室
  • 室長(研究)
  • 博士(理学)
  • 生物学
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担当者