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水草バイオマスの持続可能な収穫と利活用による湖沼生態系保全技術の確立(平成 28年度)
Novel lake ecosystem management by sustainable harvesting and effective utilization of aquatic weed biomass

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 4-1406
研究課題コード
1416BA016
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
水草バイオマス,湖沼生態系保全,陸水環境
キーワード(英語)
macrophyte biomass, lake ecosystem conservation, freshwater environment

研究概要

水草は元来、水質浄化あるいは魚類の産卵場所や仔稚魚の生育場所として機能しているため、適度に存在することで水域生態系は健全に保たれていた。しかしながら、近年、琵琶湖を含む日本各地の水域では水草の大量繁茂による環境悪化が報告されるようになってきた。現在行われている水草の根こそぎ除去方法は対処療法的であり、水草の生態学的役割や水草除去に伴う環境への影響についてはほとんど考慮されていない。同時に、過去には肥料として有効活用されていた水草が、安価な化学肥料の台頭により利用されなくなったため、除去した水草の利用方法の確立が重要課題である。本研究では、琵琶湖環境を保全するために、過剰繁茂した水草類の持続可能な管理基準を策定し、加えて除去した水草バイオマスを有効利用する基盤技術を確立する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究では、琵琶湖環境の保全するために過剰繁茂した水草類の持続可能な除去量および除去手法を策定し、加えて除去した水草バイオマスの有効利用技術を確立する。水草バイオマスは嫌気発酵でバイオガス化し、この工程で排出される液分残渣に含まれる栄養塩を微細藻類バイオマスに返還する。
サブテーマ2:水草の刈り取りが湖沼の水質及び底質に与える影響
2014:新しい先端成分分析手法を用いた水質・底質の成分分析・評価を行う。底泥からの重金属類などの溶出実験を行う。
2015:水草の刈り取りが水質・底質へ与える物理化学的な影響を、水草除去区(表層刈り取り/底引き)と非除去区において評価する。底泥・間隙水中の重金属類、栄養塩、難分解性有機物等の分析を実施する。
2016:前年に引き続き、水草の刈り取りが水質・底質へ与える物理化学的な影響を水草除去区と非除去区において評価する。底泥・間隙水中の重金属類、栄養塩、難分解性有機物等の分析を実施する。

今年度の研究概要

水草群落中では夜明け前に溶存酸素濃度が最低になることが知られているが、その最低値を模した環境で刈取区の底泥コアを用いて、底泥からの栄養塩や金属イオンの溶出フラックスを解析する。具体的には2週間ごとに上記嫌気環境と好気環境を入れ替えたり、水草堆積物等を加えた際の、底泥からの拡散フラックスの違いを、各種栄養塩や金属イオン等に関して評価する。
また、水草堆積物量が最大となる9月〜10月にかけて、各種刈取区における水草堆積物の現存量の違いを半定量することで、刈り取り方法や頻度の違いが底泥からの溶出フラックスにおよぼす影響を評価する。

外部との連携

研究代表者: 伴 修平 (滋賀県立大学)
共同研究者: 石川可奈子、井上栄壮、佐藤祐一 (滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)
      戸田龍樹、黒沢則夫 (創価大学)
      須戸 幹、後藤直成、酒井成子 (滋賀県立大学)

課題代表者

今井 章雄

担当者