- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1518CD006
- 開始/終了年度
- 2015~2017年
- キーワード(日本語)
- サンゴ,環境変動
- キーワード(英語)
- coral, environmental change
研究概要
日本周辺海域では、サンゴの北上が進行するなど、地球温暖化の影響による環境変動が顕在化している。サンゴ骨格に注目して、過去100〜200 年間の変動を詳細に復元・検討を行なう。亜熱帯海域については、明瞭な年輪を持つハマサンゴ属のサンゴ骨格を用い、本州南方など温帯域では、卓越する枝状群体のミドリイシ類の骨格について、水温計としての利用法を開発し、環境変遷の復元にあたる。ミドリイシ水温計開発には、水産分野の専門技術の助けにより、従来に比べ格段に良好な状態でサンゴを飼育して、精密な環境制御下で形成された骨格を用いて、気候プロキシの検討を行い、気候変動研究の確度・精度向上を図る。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
亜熱帯および温帯性サンゴを対象に、精密環境制御飼育実験により得られた炭酸塩骨格・殻試料について、水温指標である酸素同位体比とSr/Ca 比を測定し、水温依存性の種間変異、タクサ間変異を検討する。海洋酸性化影響評価実験で形成された骨格については、特に炭素同位体比の挙動に注目し、石灰化メカニズムの種間、タクサ間の多様性を考察した。亜熱帯および温帯性サンゴを代表するハマサンゴおよびコユビミドリイシについて同様の手法を用いて水槽実験による間接指標の特性把握を行なう。特に、異種複合による環境復元方法を開発する。
今年度の研究概要
対象とするサンゴ種を増やして、環境指標の特性把握を進める。多段階恒温飼育実験、酸性化海水飼育実験により間接指標の特性把握を行なって、化石試料の分析結果の解釈に役立てる。
外部との連携
研究代表:鈴木淳(産総研)
研究分担:井口亮(沖縄高専)、酒井一彦(琉球大)、林正裕(海生研)、高田徳幸(産総研)、新垣誠司(九州大)
課題代表者
山野 博哉
- 生物多様性領域
- 領域長
- 博士(理学)
- 地理学,地学,理学