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ランダム化比較試験を用いた環境・エネルギー政策研究の手法確立(平成 30年度)
Development of methods for environmental and energy policy studies using randomized controlled trials

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1718CD005
開始/終了年度
2017~2018年
キーワード(日本語)
ランダム化比較試験,エビデンスに基づく政策形成,環境・資源経済学
キーワード(英語)
Randomized controlled trial,Evidence-based policy making,Environmental and resource economics

研究概要

財政状況が厳しさを増す中で、効率的な行政運営が求められている。環境・エネルギー政策も例外ではない。今後は、環境・エネルギー政策における定量的な分析に基づく客観的な評価をより一層行い、国民に対する説明責任を果たしていくことが望ましい。このよう問題意識に立ち、エビデンスに基づく政策形成(EBPM)、すなわち公共政策の効果について科学的な根拠に基づいて実際の政策を形成しようという試みが広がっている。そして、EBPMにおいて、現実世界でのランダム化比較試験(RCT)は、政策の効果をより正確に評価できる手法とされる。現在、RCTを用いた政策評価は欧米などの先進国において急速に導入が進んでいる。しかし、日本における環境・エネルギー政策の評価にRCTが用いられた事例は、非常に少ない。したがって、本研究は、環境・エネルギー政策分野におけるフィールドでRCTを用いた政策効果検証のための手法の開発をめざす。そして、海外で行った当該手法による研究実践の知見に基づき、日本におけるフィールドでRCTを用いた研究手法の実践を行う。これにより、RCTを用いた実証型の政策研究を進化させることを研究目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

初年度は、まず研究会を立ち上げ、各々が持っているフィールドで行ったRCTデザインについて情報共有を行う。この際には、他の分野、例えば教育政策等を対象に日本でRCTを行っている研究者との意見交換も行う。そのうえでデータ準備やランダム化の方法について手法の手順の明示化を行う。また、フィールドでRCTを実施することの倫理的な課題を整理し、解決法を検討する。2年目は、メンバーが参加して共同でガイドラインに沿ってフィールドにおけるRCTの実証研究を行う。そして、最後に日本での環境・エネルギー分野のRCTからの政策提言としてまとめ、政策研究の進化に寄与する。

今年度の研究概要

今年度は外部講師を招いた研究会を行い、引き続き情報収集・発信を行う。また、RCTを用いる際の倫理的懸念についてウェブ調査を行う。さらに、事例研究として福岡県みやま市の生ごみ分別制度を取り上げ、調査を行う。

外部との連携

研究代表者:野村久子(九州大学)、研究分担者:鈴木綾(東京大学)

課題代表者

横尾 英史

担当者