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レーザー蒸発型エアロゾル質量分析計を用いたブラックカーボンの新規データ活用法開発(平成 31年度)
Development of new data analysis of mass spectrum of black carbon with a laser evaporator aerosol mass spectrometer

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1719CD010
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
ブラックカーボン,スートエアロゾル質量分析計
キーワード(英語)
black carbon, soot particle aerosol mass spectrometer

研究概要

大気エアロゾルに含まれるブラックカーボン(BC)は吸入による健康影響を引き起こし、また、気候に直接間接的に影響をおよぼすため、重要な成分である。近年、レーザー誘起白熱法でBCを蒸発させたのちに、電子衝撃法でイオン化し、高分解能型飛行時間型質量分析計で測定するオンライン測定装置“SP-AMS”が登場した。本提案課題では、各種のBC発生源および環境中において、SP-AMSでBCの質量スペクトルを測定し、大気中BCの発生源寄与推定手法を確立する。また、工業ナノ材料の一つである、カーボンナノチューブ(CNT)の吸入による健康影響が懸念されている。SP-AMSは、これまでにないリアルタイムかつ高感度のCNT検出法として期待されるが、大気エアロゾルに含まれるBCとCNTの識別するための手法を確立する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

複数の燃焼発生源および人工的に発生させた含BC粒子を対象とし、SP-AMSによるBCのクラスターイオンおよび難燃性CO+およびCO2+の含酸素イオンの質量スペクトルパターンを解析する。1年目はデータの取得、整数質量スペクトルデータ解析、およびデータ解析法および発生源寄与解析法の習得、2年目はデータの取得および高分解能質量スペクトルのデータ解析、3年目は主に発生源寄与解析を行う。

今年度の研究概要

引き続き測定例を増やしていき、より幅広い発生源情報を蓄積していく。またスペクトルの類似性を評価する方法を考えていく。質量スペクトルと共に、炭素分析による熱分離のプロファイル、光吸収性の波長依存性の情報を組み合わせて、精緻な分離を目指していく。また燃焼発生源については燃料以外にも燃焼温度や酸素濃度によっても違いがないか、質量スペクトルの違いは何に起因しているのか等、先行研究の調査や実験的に確認していく。

課題代表者

藤谷 雄二

  • 環境リスク・健康領域
    統合化健康リスク研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(工学)
  • 工学
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