ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

極域オゾンと中高緯度渦熱フラックスとの線形関係の理論的解明(令和 2年度)
An theoretical explanation of the relationship between the ozone amount in the polar regions and heat flux at the mid-latitues

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1921CD015
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
オゾン,極域,渦熱フラックス,線形関係,年々変動,化学気候モデル,気候変動
キーワード(英語)
ozone, polar regions, eddy heat flux, linear relationship, year-to-year variation, chemistry-climate model, climate change

研究概要

Weber et al. (2011)によって、中緯度100 hPaにおける冬季の極向き渦熱フラックスと「春季平均値/秋季平均値」比で評価した極域オゾン全量の季節変動との間に、南北両半球を通した極めて良い線形関係が成り立つことが示された。ところで、極域のオゾン全量には、熱輸送やオゾン輸送の他、化学オゾン破壊も大きく影響する。熱やオゾンの輸送に関しては、冬季の極向き渦熱フラックスとの関係が比較的明瞭であるが、渦熱フラックスと極渦内で起こる化学オゾン破壊との関係は必ずしも明瞭ではない。さらに、極渦の発達と安定性には南北両極間で大きな相違があり、それによって極域で起こる化学オゾン破壊も両極の間で大きく異なる。それゆえ、春季極域の化学オゾン破壊はしばしば南北別々に議論されている。本研究の目的は、Weber et al. (2011)が見出した南北両極域で共通な、中緯度100 hPaにおける冬季の極向き渦熱フラックスと極域オゾン量の線形関係の力学的・化学的根拠を明らかにすることである。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

2019年度:
(1)化学的生成・消滅を無視した場合の線形性の根拠となる力学的枠組みについての理解
(2)国立環境研究所の化学気候モデルを用いた長期シミュレーションの実施と解析

2019年度以降:
オゾンの化学過程の寄与の解析

今年度の研究概要

国立環境研究所のMIROC3.2化学気候モデルを用いた長期シミュレーション(500年)結果に基づき作成したWeber et al. (2011)の散布図の検討と、その背景にあるプロセスの解析を行う。

外部との連携

研究代表者:長谷部文雄(北海道大学地球環境科学研究院・特任教授)

関連する研究課題

課題代表者

秋吉 英治

  • 地球システム領域
    気候モデリング・解析研究室
  • シニア研究員
  • 博士 (理学)
  • 物理学,地学,コンピュータ科学
portrait