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多面的指標を用いた神経発達毒性の新たな評価系の構築(令和 2年度)
Development of neurotoxicity testing with multi-neurodevelopmental processes by using mouse ES cells

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
2022CD015
開始/終了年度
2020~2022年
キーワード(日本語)
神経発達毒性,マウスES細胞
キーワード(英語)
neurodevelopmental toxicity,mouse ES cell

研究概要

 近年、自閉症などの神経発達症の増加が報告されている。この原因としては遺伝的要因だけでなく、我々が日常的に曝露され続けている環境中の化学物質による影響が考えられる。化学物質の神経発達毒性評価は動物曝露実験が推奨されるが、データを得るのに時間を要するため、より短期間で評価可能な代替法の必要性が生じてきた。本研究では神経発生・発達に重要であり、神経発達症にも関与する神経発達期のプロセスに着目した新たな神経発達毒性評価系の構築を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

マウスES細胞を用いた新たな神経発達毒性評価系を構築するため、本研究では神経発達毒性に関連することが想定される様々なプロセスに対応したin vitro評価系について検討する。マウスES細胞から神経幹細胞を誘導し、神経系細胞に分化させる系を用いる。この神経系分化培養系をベースに、分化させた神経系細胞に対する影響、神経幹細胞の機能に対する影響、シナプス形成への影響、膜電位への影響、オートファジーへの影響、等を指標とした評価系を構築する。次に、これらの評価系を用いて、神経発達毒性を示すことが報告されている既知の化学物質(薬剤、工業系試薬、殺虫剤等)対象に評価を実施する。これにより評価系の実用性について検証する。

今年度の研究概要

 マウスES細胞から胚様体(EB)を形成後、bFGFを添加した培地で平面培養して神経幹細胞を誘導する。あるいは、浮遊培養法でニューロスフィア(NS)を形成させることで神経幹細胞を誘導する。更に、分化培地で神経系細胞に分化させる。これらの系を用い、分化させた神経系細胞に対する影響、神経幹細胞の機能に対する影響、シナプス形成への影響、膜電位への影響、オートファジーへの影響、等を指標とした神経発達毒性の解析について検討を行う。

課題代表者

伊藤 智彦

  • 環境リスク・健康領域
    生体影響評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士 (環境科学)
  • 薬学,生化学
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