ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

国立環境研究所公開シンポジウム2008報告

国立環境研究所セミナー委員会

 国立環境研究所公開シンポジウムは,今年で11回目を迎えました。今回のテーマは「温暖化に立ち向かう-低炭素・循環型社会をめざして-」です。6月21日の土曜日は東京メルパルク,また1週間後の28日には札幌の道新ホールを会場にして開催されました。7月に北海道で開かれる先進国首脳会議,いわゆる洞爺湖サミットで,環境問題が重要課題としてとりあげられることから,はじめての北海道での開催となりました。はたしてどれだけの方に足を運んでいただけるか,関係者一同気をもみながら宣伝に努めつつ当日を迎えましたが,225名の方々においでいただきました。東京会場と札幌会場,あわせて1000名近いご来場者の皆様に心より御礼申し上げます。

 いずれの会場でも,講演開始の1時間前から,ホール前のスペースに21枚のパネルを展示して,その内容を研究者がご説明するポスターセッションの時間を設けました。どのパネルの前でも熱心なやりとりが交わされ,そろそろ講演が始まる時間になっても議論が続いているパネルには,そろそろホールへお入りくださいと運営担当者がお願いして回ったほどでした。

 講演の部では,5人の演者がさまざまな観点から低炭素社会と地球温暖化問題を整理しつつ,当研究所での研究成果をご紹介しました。演題は以下のとおりです。

  ●「大気中に放出された温室効果ガスの行方を探る」 (向井 人史)
  ●「温暖化影響と気候安定化レベル」 (肱岡 靖明)
  ●「低炭素社会 なぜ必要か?どうすればできるのか?」 (甲斐沼 美紀子)
  ●「ごみ問題・3Rと温暖化のかかわり」 (森口 祐一)
  ●「持続可能な好循環都市に向けて-環境技術と社会技術の融合-」 (藤田 壮)

 これらの講演の様子はDVDにおさめ,後日配布の予定です。また研究所のホームページにも講演の映像を掲載します。ぜひご利用ください。

 それぞれの講演のあとには,十分な時間は取れなかったものの,質疑応答の時間を設けました。いずれの講演にも質問の手があがり,問題の本質をつくような質問もいただきました。すべての講演が終わったあとは2回目のポスターセッションの時間です。このときは5人の講演者も講演内容の一部を掲示したパネルの前に立ち,ご来場の皆様からの質問に直接お答えしました。終了の時間になってもなお議論が続く人の輪があちこちにあり,申し訳ありませんがこれにて終わらせていただきますと運営担当者がお願いして回ったのは,東京会場と札幌会場,どちらも同じ風景でした。

(委員長 竹中明夫)


東京会場でのポスターセッションの様子

執筆者プロフィール

 前任者の突然の出向のため,シンポジウム本番の3ヵ月足らず前になって実行委員長的な役割を引き継ぎました。やるからには嫌々ではなく,文化祭のような盛り上がりで取り組もうと思いました。さすがに青春真っ只中というノリには至りませんでしたが,2会場のシンポジウムが終了したときの安堵感と達成感は心地よいものでした。