- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 1010AF005
- 開始/終了年度
- 2010~2010年
- キーワード(日本語)
- 基底膜
- キーワード(英語)
- basement membrane
研究概要
近年、肝細胞は、in vitroにおいて薬物代謝機能を調べる為に用いられている。通常、肝細胞は?型コラーゲン上で単層培養されていたが、長期培養できなかった。そこでコラーゲンゲルなどを用いたサンドイッチ培養法により極性を誘導させ、薬物代謝機能をある程度維持可能にすることができたが、取り込み型のトランスポーター遺伝子の発現を安定に維持することは難しい。そこで、当研究室で開発した基底膜基質を用いて、取り込み型のトランスポーター遺伝子発現をはじめとする肝機能の安定維持を目指した。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:
全体計画
1)基底膜基質の検討
a)基底膜基質を用いた培養条件の検討:コラゲナーゼ灌流法により単離したマウス肝細胞をいくつかの基底膜基質上に播種し、肝細胞の生合成能を示す指標の一つとして重要であるアルブミン遺伝子やアルブミン分泌量を測定する。
b)さらに肝機能のマーカーとして薬物代謝酵素遺伝子やトランスポーター遺伝子の発現についても基底膜基質間における違いを検討する。尚、従来のコラーゲンコートをコントロールに用いる。
2)肝細胞長期培養方法の検討
a)肝細胞は、単層培養では、肝機能が数日しか維持しないが、サンドイッチ培養など三次元培養に改良することにより、長期の肝機能維持が可能になるとされている。そこで、1)で検討をした基底膜基質を用いたサンドイッチ培養を行い、アルブミン分泌量及び薬物代謝酵素遺伝子やトランスポーター遺伝子の発現の経時変化を測定する。
今年度の研究概要
マウスから単離した肝実質細胞を用い、基底膜基質上で培養することで薬物代謝酵素遺伝子やトランスポーター遺伝子の安定した発現を維持し、さらにサンドイッチ培養を行うことで極性を持つことでよりin vivoに近い肝実質組織モデルを作製する。この為に、基底膜マトリックスに対する我々の経験を活用し、薬物代謝機能を指標として、遺伝子発現解析を行い、最適な基底膜モデルを創製する。
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動