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講演9:「アジアの温室効果ガスインベントリへの取り組み」

Thy SUM (サム・シー)
カンボジア環境省

講演概要:

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の下では、全ての締約国が温室効果ガスインベントリを作成し公表しなければならず、アジア地域の全ての国は、少なくとも1回は国別温室効果ガスインベントリをUNFCCCへ提出している。カンボジアは1996年改訂IPCCガイドラインを用いて1999年に第1回国別温室効果ガスインベントリの作成を開始し、第8回気候変動枠組条約締約国会議に提出した。カンボジアの2000年温室効果ガスインベントリは現在作成中であり、2009年に完成の予定である。

アジアにおける温室効果ガスインベントリ整備に関するワークショップ(WGIA)は、日本国環境省の支援の下、2003年より毎年開催されている。WGIAは、国別温室効果ガスインベントリを構築及び改善していく上でアジア地域諸国を支援することを目的としており、最近の実績としては、(1)インベントリ構築に関する国家状況の定期的な相互更新、(2)国家努力及び業務の情報共有、(3)セクターごとの共通課題及び実現可能な解決策の特定、の3つのタイプに分類することが出来る。さらにWGIAはその活動(メーリングリスト及びウェブサイト)を通して、知見及び情報をアジア内外の他の地域社会に広める重要な役割を担っている。

自国のインベントリ作成において、多くの国で多様な困難及び課題が持ち上がっており、それらの課題には信頼性のある活動量及び排出係数の不足、排出量算定における不確実性、並びにインベントリ作成に従事する人員の頻繁な異動が含まれる。これらの課題を克服するために、以下の行動が推奨される。

(1)アジア地域、特に限られた人的・物的資源しか持たない国のための能力開発における指導的役割を担う。
(2)情報及び経験の交換に関してWGIAの現在のスタイルを継続する。
(3)より実務的な情報交換のための専門家グループによる共同活動を指揮する。
(4)地域特有の排出係数を構築するための地域調査プロジェクトを実施する。
(5)他の地域へWGIAの経験を配信する。
(6)アジア地域各国で協働して行う調査プロジェクトに対して財政的援助を提供する。

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