- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0911AE006
- 開始/終了年度
- 2009~2011年
- キーワード(日本語)
- チョウ,都市生態系,公園,緑地,DNA,移動分散
- キーワード(英語)
- butterfly, urban ecosystem, parks, green spaces, DNA, dispersal
研究概要
大都市に点在する大型緑地は、比較的豊かな自然が残されていることも多く、その維持や保全は都市における人間生活を豊かにすると考えられる。しかし、各緑地は孤立しており、各緑地の生態系にどの程度相互作用があるのかは不明である。一方、都市生態系の保全に街路樹による緑の回廊(コリドー)や屋上緑化が機能すると期待されているが、その実態について不明な点が多い。本研究では、都市生態系の実態を解明することで、より効率的な緑化計画や都市における生態系保全方法に対する示唆を得ることを目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
東京都心における都市生態系の実態を明らかにするため、チョウを対象として1)東京都の大型緑地は、生態系として互いにどの程度相互作用があるのか、2)相互作用に影響する要因は何か、について解明する。チョウは、移動能力が比較的あり、植物を食べ、昆虫や他の動物に食べられるという生態的な地位にあること、愛好家も多く資料が充実していることなどから、本研究の対象として適当と考えられる。まず、北の丸公園や新宿御苑といった大型緑地におけるチョウ類相を調査し、比較する。次に、チョウ類相の豊かさを決める要因として、緑地の要素(面積や植物相など)と緑地を取り囲む環境要素(他の緑地との距離など)を解析する。また、各公園に共通するチョウ種については、各緑地間でどれくらい移動が起きているのかを、DNAの塩基配列情報により推定する。得られた推定結果は、緑地の要素や緑地を取り囲む環境要素を照らし合わせ、チョウ類の移動分散を決める要因を解明する。
今年度の研究概要
東京都の大型緑地および周辺の小型緑地において、チョウ相および各公園の環境要素について調査する。これらの結果より、各公園に見られるチョウ相と生息地要因の関係を解析する。また、各公園に共通して観察されるチョウ種については、公園間の移動分散の程度を調べるため、捕獲して中脚を採取し、塩基配列解析を行う。
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動
課題代表者
今藤 夏子
- 生物多様性領域
環境ゲノム研究推進室 - 室長(研究)
- 博士(学術)
- 生物学