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環境標準物質及び分析用標準物質の作製、並びに環境測定等に関する標準機関(レファレンス・ラボラトリー)(平成 28年度)
Fundamental studies on development of the environmental certified reference material and working standard, and their application for environmental measurement

研究課題コード
1620AP003
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
標準物質,実用標準,精度管理
キーワード(英語)
certified reference material, working standard, quality control

研究概要

環境標準物質に関する知的研究基盤事業は、国内外における環境計測の精度管理に資するため1970年代後半に国立公害研究所(現、国立環境研究所)発足当初から始まった。日本初の環境標準物質リョウブ(Pepperbush)を作製して以来、天然物を対象とする環境標準物質28種類を国内外の研究機関や計測機関などに提供して来た。このような背景のもと、国内外の環境化学計測における一次データの精度管理やトレーサビリティの確保に資するために有用な環境標準物質について作製と提供を目的とする。作製する環境標準物質は全て世界基準に合致するだけでなく、世界的に希な物質の作製を目指すものである。また、認証値決定過程で用いられる公定法をはじめとする各分析法に関する評価・改良を行うことも本知的研究基盤事業の目的に入る。今期の5年間は、2000年代以降新たな社会問題となった有害化学物質や注目される元素を対象にした環境標準物質の開発や、需要が多く在庫が無くなった標準物質の更新を計画している。また、既存の標準物質についても水銀同位体比情報等を追加することにより、利用価値の向上をはかる。さらに、環境標準物質の開発と提供を行うほか、地方環境研究所との連携なども考慮しつつ環境監視測定法の精度管理に資する応用研究や依頼化学分析データの精度管理にも貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

今期の5年間は、2000年代以降新たな社会問題となった有害化学物質や注目される元素を対象にした環境標準物質の開発、および、需要が多く在庫が無くなった標準物質の更新を計画している。具体的には、在庫がなくなっているホンダワラ等の後継標準物質や、Ni、Cd、Asなどの有害元素をはじめとした様々な化学成分について、動植物やダストを対象とした環境標準物質の開発と提供を行うほか、地方環境研究所との連携なども考慮しつつ環境監視測定法の精度管理に資する応用研究も行う。

今年度の研究概要

所内外から広く環境計測・測定分析において望まれる標準物質の情報を集め、世界的に希で特色のある物質を対象に作製・提供を行うことを基本姿勢としている。今年度は、在庫がなくなっているホンダワラの後継標準物質の作製にとりかかる予定である。また、計測手法の開発やモニタリング計測への応用研究にも継続的に展開する計画である。

課題代表者

佐野 友春

担当者

  • 田中 敦
  • 武内 章記環境リスク・健康領域
  • 山川 茜環境リスク・健康領域
  • 肥後 桂子
  • 永野 公代