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モバイルセンサーを用いた気候環境と人体生理反応のポータブル型環境モニタリング(平成 28年度)
Portable environmental monitoring of climatic environment and human physiological responses by mobile sensors

予算区分
NA 寄付
研究課題コード
1617NA001
開始/終了年度
2016~2017年
キーワード(日本語)
モバイルセンサー,モニタリング,気候,人体生理
キーワード(英語)
mobile sensor,monitoring,climate,human physiology

研究概要

都市空間で進行する高温化への対策として、予防や回避行動等の適応策推進が必要とされており、そのための地域気候特性把握、実態に即した警戒情報システムの構築が不可欠である。特に地覆や建築環境が複雑な都市域では、体感温熱指標の面的分布を把握する多定点観測ネットワーク構築も困難である。放射や風は局地的な周辺環境の影響を強く受け、日本では湿度の影響も大きい。また、心拍数や皮膚温など人体の生理的反応のデータとの対応についても知見が十分ではない。本研究では体感温熱環境の面的把握手法の確立を目的とし、モバイルセンサーを用いた気象要素と人体の生理的反応に関するポータブル型環境モニタリングを実施し、様々な空間スケールにおいて、多地点のデータを瞬時にかつ長期に取得する。この成果は、都市環境における熱中症の予報システム構築や適切な予防策実施、快適なまちづくりに向けた基礎資料となるほか、全国各地の自治体へ応用可能であり、適切な服装による外出や暑さを回避するための自主的行動の促進、2020年夏季の東京五輪等に関し、競技者、観戦者の健康管理、異常気象や猛暑下における人間行動の地域的特徴などに関する評価が可能である。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

モニタリングデータをリアルタイムで利用者がシェアするフィードバックシステムを構築する。また、収集されるビックデータを用いたローカル・リアルタイムでのリスク情報共有社会実験を行う。さらにモバイルセンサーにより得られた計測データの有効性を検証する。アメダスや大気汚染常時測定監視局等の定点観測データと比較し、その妥当性を検証するほか、各測定要素の分布図を作成する。算出された体感温熱指標と、人体生理データとの関係を解析し、生気象学的な観点から裏づけを行う。加えて、得られるビッグデータをユーザーにフィードバックするシステムを構築し、各種の社会実験に応用する。本研究では人体に関するデータを扱うため、国立研究開発法人国立環境研究所医学研究倫理審査規程に則って実施する。100m四方の狭領域において、独自のワイヤレスセンサーネットワークによるデータ収集・転送・処理を試験的に実施する。成果が良好であれば1km〜数km四方程度に拡大する。その際、携帯電話による情報収集(GSMテキストメッセージによる)を行う。また、試験段階で情報セキュリティの評価を行う。観測は、歩行もしくは自転車による移動をベースとする。大気・熱環境を測定するセンサーは、国内外の観測機器メーカー社に発注する。測定項目は、屋外温熱環境のほか、大気汚染濃度、騒音レベル、街区の照度(治安関連)、位置情報(GPS)である。軽量・小型にして、OS内蔵でプログラム可能なBluetoothをベースとしたセンサーの組み立て・改良に平行し、リアルタイムのデータの収集・空間分布表示システムの構築を行う。

今年度の研究概要

都市空間で進行する高温化への対策として、予防や回避行動等の適応策推進が必要とされており、そのための地域気候特性把握、実態に即した警戒情報システムの構築が不可欠である。特に地覆や建築環境が複雑な都市域では、体感温熱指標の面的分布を把握する多定点観測ネットワーク構築も困難である。放射や風は局地的な周辺環境の影響を強く受け、日本では湿度の影響も大きい。また、心拍数や皮膚温など人体の生理的反応のデータとの対応についても知見が十分ではない。本研究では体感温熱環境の面的把握手法の確立を目的とし、モバイルセンサーを用いた気象要素と人体の生理的反応に関するポータブル型環境モニタリングを実施し、様々な空間スケールにおいて、多地点のデータを瞬時にかつ長期に取得する。この成果は、都市環境における熱中症の予報システム構築や適切な予防策実施、快適なまちづくりに向けた基礎資料となるほか、全国各地の自治体へ応用可能であり、適切な服装による外出や暑さを回避するための自主的行動の促進、2020年夏季の東京五輪等に関し、競技者、観戦者の健康管理、異常気象や猛暑下における人間行動の地域的特徴などに関する評価が可能である。

外部との連携

共同研究者:松本太(敬愛大学)、林曄(瀋陽建築大学)、常松展充(東京都環境科学研究所)

備考

2015年度大林財団研究助成

課題代表者

一ノ瀬 俊明

  • 社会システム領域
    システムイノベーション研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (工学) (東京大学)(都市工学専攻論文博士)
  • 土木工学,地理学
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