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発生源地域におけるアジアダストと環境レジームシフトの国際共同研究(平成 28年度)
Collaborative Research on Outbreaks of Asian Dust and Environmental Regime Shift

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD022
開始/終了年度
2016~2018年
キーワード(日本語)
黄砂,バイオエアロゾル
キーワード(英語)
Asian dust, Bioaerosol

研究概要

近年、アジア内陸部の砂漠化とアジアダスト(黄砂)の発生、それらと共に飛来するバイオエ アロゾルや PM2.5 などが国際的な環境問題を引き起こしている。本研究の目的は、モンゴルと中 国の研究機関と共同して、アジアダストの発生とそれに関わる環境レジームシフトのメカニズム を解明することである。本研究では、大気圏・土壌圏・水圏・生態系の準不可逆的な変化を環境 レジームシフトと呼ぶ。新たな試みとして、バイオエアロゾルを環境レジームシフトのマーカー として用いる。現在進行中の JSPS 研究拠点形成事業「アジアダストと環境レジームシフトに関す る研究拠点の構築」(甲斐憲次)で整備した研究拠点ネットワークを活用し、発生源地域のモンゴル草原・ゴビ砂漠・タクラマカン砂漠および風下側の北海道・能登半島等で集中観測を実施する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

モンゴル草原・ゴビ砂漠・タクラマカン砂漠において、アジアダストと環境レジームシフトを 対象とする集中観測(IOP)を春季に実施する。まず、現地観測と数値モデルにより、アジアダス トの発生と長距離輸送のメカニズムを明らかにする。次いで、アジアダストに覆われた地域での 動植物の生態系を調査する。新しい取り組みとして、バイオエアロゾルによる大気微生物の種組 成変化をマーカーとして使用し、発生源地域と日本で環境レジームシフトの有無を調べる。IOP終了後、蘭州大学・モンゴル気象水文環境研究所・名古屋大学で持ち回りのセミナーを開催する。このセミナーでは IOP の観測結果を議論し、研究成果と観測技術を共有する。最終年度は、観測結果の取りまとめとモデル化を行い、研究成果を国際シンポジウムで発表する。

今年度の研究概要

モンゴル草原・ゴビ砂漠・タクラマカン砂漠において、アジアダストと環境レジームシフトを対象とする集中 観測(IOP)を春季に実施する。まず、現地観測と数値モデルにより、アジアダストの発生と長距離輸送のメカ ニズムを明らかにする。次いで、アジアダストに覆われた地域での動植物の生態系を調査する。新しい取り組み として、バイオエアロゾルによる大気微生物の種組成変化をマーカーとして使用し、発生源地域と日本で環境レ ジームシフトの有無を調べる。IOP の研究成果は、第2回大気ダスト国際会議(DUST2016)のアジアダストセッション(甲斐ほか提案)で発表 する。国内外の研究協力者を招へいして、モンゴル気象水文環境研究所で持ち回りのセミナーを開催する。この セミナーではIOP の観測結果を議論し、研究成果と観測技術を共有する。

外部との連携

研究代表者:名古屋大学 甲斐 憲次  現地観測と総括
研究分担者:国立環境研究所 杉本伸夫  ライダーによるダストの観測研究
      金沢大学 牧 輝弥  バイオエアロゾルの遺伝子解析
      酪農学園大学 星野 仏方  生態学的調査と環境レジームシフトの研究
      京都大学 竹見 哲也  高解像度モデルによるダストの舞い上がりの研究
連携する海外機関:モンゴル モンゴル気象水文環境研究所(IMHE)、モンゴル国立大学
         中国    蘭州大学、新疆生態地理研究所

関連する研究課題

課題代表者

杉本 伸夫