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平成31年度キレート作用物質に係る藻類影響検討業務(平成 31年度)
The study of impacts of chelating agents on algal species

予算区分
BY 環境-委託請負
研究課題コード
1919BY009
開始/終了年度
2019~2019年
キーワード(日本語)
キレート作用物質,藻類,藻類生長阻害試験
キーワード(英語)
chelating agents, algae, algal growth inhibition testing

研究概要

キレート作用を有する物質における緩和試験の必要性については、OECDのガイダンス文書23(GD23)のANNEX 4に記載されている通りであるが、改変培地における150 mg/Lの硬度設定は、米国における平均的な硬度を想定したものであり、本国における水域の硬度レベルには適応しない。また、緑藻以外の藻類における緩和試験の適応性についての検証はほとんど行われていない。
よって本業務では、? 2種のキレート作用物質の影響評価をGD23で規定された硬度条件のみならず、本国の水域環境に適した硬度レベルでの緩和試験を実施することで、本国の水域環境に即したキレート作用物質の影響評価を行うこと、? ムレミカヅキモのみならず広範囲の分類群に属する藻類種を用いることで、複数藻類への緩和試験の適用性や毒性の作用機序について考察すること、? 結果に基づきキレート作用を持つ物質のリスク評価の考え方について検討することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびニトリロ三酢酸ナトリウム(NTA-Na)の緩和試験を実施し、EDTAおよびNTA-Naの影響評価を行うとともに、緩和試験の必要性や緩和試験における設定硬度レベルの妥当性を検証する。また、複数の分類群に属する生物種を用いることで、広範囲な生物群における緩和試験の適用性や毒性の作用機序について考察する。

今年度の研究概要

(1) 対象物質をEDTAおよびNTA-Na塩の2物質とし、高純度(少なくとも純度95%以上)の標準品を用意する。また、試験開始時と終了時について試験液中濃度の化学分析を行う。
(2) OECDのガイダンス文書23 ANNEX4に記載されている4条件(通常のOECD培地、高硬度の培地、被験物質にCaを等モル加えた培地、被験物質に高硬度のCaを加えた培地)で、OECD TG201(藻類生長阻害試験)の緩和毒性試験を実施して比較検討する際に、ANNEX 4に記載されている高硬度(150 mgCaCO3/L)に限らず、わが国の水環境中の硬度を想定して、25, 50, 100, 150 mg CaCO3/Lなどの4条件で試験を実施し、合計の試験条件を10条件とする。
(3) 試験生物種として、細胞膜形態の異なる、Pseudokirchneriella subcapitata(緑藻:ムレミカヅキモ)、Navicula pelliculosa(珪藻:フナガタケイソウ)、Synechococcus leopoliensis(ラン藻:シネココッカス)の3種を用いて試験(2物質×3種×10条件=60試験)を実施して、キレート作用を有する物質の毒性作用機序に関する考察を行う。
(4) 通常のOECD培地に限らず、最低限の必須金属のみを用いた培地での試験条件を検討し、それぞれのキレート作用を持つ化学物質の藻類生長阻害試験を実施する。
(5) キレート作用を持つ化学物質の毒性値に関する文献調査や金属スペシエーション等のモデル計算結果と実験結果を生態毒性試験の専門家が比較・検証する。
(6) 実験結果を用いてキレート作用を持つ化学物質のリスク評価をどのように実施すべきかを取りまとめるとともに、わが国の水環境を想定した妥当な緩和試験条件を提案するなど、キレート作用を持つ化学物質のリスク評価に関する考え方を整理する。

課題代表者

山本 裕史

  • 環境リスク・健康研究センター
  • 副センター長
  • Ph.D.
  • 化学,土木工学,生物学
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担当者