- 予算区分
- BB 環境-地球一括
- 研究課題コード
- 1822BB001
- 開始/終了年度
- 2018~2022年
- キーワード(日本語)
- 大気質,短寿命気候汚染物質,オゾン,エアロゾル
- キーワード(英語)
- air quality,short-lived climate pollutants,ozone,aerosol
研究概要
地球温暖化による気温の上昇や水蒸気量の増加が示唆されている。これらはさらに、海洋上でOHラジカルを増加させる、雷や土壌からのNOx生成を増加させる、森林からのVOC放出を増加させるといった様々なフィードバックを地球表層物質循環に引き起こし、大気質に大きな影響を及ぼす可能性が指摘されている。そこで本研究では、日本と北米・東南アジア・オセアニア間を運航する定期貨物船を用いて、地球温暖化が大気質に及ぼす影響をアジア・太平洋地域において広範にモニタリングする。オゾンやエアロゾルは大気汚染として人間の健康に影響を及ぼす他、酸性沈着を介して陸上および海洋生態系にも影響する。これらの長期観測を通じて健康被害の防止や生態系の保全に向けた影響把握に資する。
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
人間の健康及び生態系に影響を及ぼす二種類の主要な大気汚染物質である対流圏オゾン(オキシダント)とエアロゾル(PM2.5)の長期観測を行う。これら主要成分に加え、海面や陸上に沈着し生態系に影響を及ぼすエアロゾルの組成(例えば、酸性粒子や重金属など)の観測を試みるほか、大気からの粒子の沈着によって影響を受ける栄養塩(特に硝酸塩)や、一次生産の指標となるクロロフィルを外洋の海洋表層で観測する。
今年度の研究概要
大気中におけるオゾン、一酸化炭素の観測、表層海水中における栄養塩、クロロフィルの観測を継続するとともに、PM2.5など大気エアロゾルの分析を開始する。前年度までに引き続いて観測体制を維持および拡充することにより、アジア・太平洋地域における大気中オゾン、一酸化炭素、大気エアロゾルの分布や変動を把握する。また、表層海水中の栄養塩、クロロフィルの分布や変動を把握する。全てを無人下での定常運転として観測体制を確立し、質の高い長期観測データを得る基盤とする。