ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

胎児期から乳児期の化学物質曝露の軌跡:エクスポゾーム研究のための乳歯分析法開発(令和 4年度)
Trajectories of chemical exposure from fetal to infancy: Development of a deciduous tooth analysis method.

研究課題コード
2223CD005
開始/終了年度
2022~2023年
キーワード(日本語)
乳歯
キーワード(英語)
deciduous tooth

研究概要

ヒトが生涯において曝露する化学物質の総量としてエクスポゾームという概念が提唱され 、生涯曝露を明らかにする取り組みが世界中で進められている。特に、胎児期から乳児期 の化学物質曝露は、成長や発達への影響が懸念される時期であり、この時期の曝露把握は 喫緊の課題である。どの物質が、いつの時期にどのくらい曝露することが健康に影響する のかを明らかにするために、時間軸の情報をもった試料を用いて、時間情報を保持したま ま有機化合物・汚染物質の分析を行う手法の開発が必要である。乳歯は妊娠中期から出生 後約1年間に取り込まれた化学物質の情報が蓄積される試料である。乳歯の特徴である時 間軸を保持した状態での有機化合物の分析法については前例がない。そこで本研究では、 光学顕微鏡内蔵型質量分析計を用いて、胎児期から乳児期の約1年間を1週間程度の間隔 で乳歯中化学物質(有機化合物や汚染物質を対象)曝露の軌跡を明らかにする分析法を開 発し、疫学調査に適用可能な手法を構築することを目的とする。本手法の開発により、複 数の化学物質曝露を包括的に評価し、経時的な曝露を検証できる点からも、本研究は環境 保健研究に変革をもたらす研究意義がある。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

2022年度は、有機化合物を対象とした乳歯分析法の開発を行う。2023年度は収集した乳歯について、開発した分析法の検討を進める。乳歯中化学物質(有機化合物や汚染物質を対象)曝露の軌跡を明らかにすることを目的とし、疫学調査に適用可能な手法を構築する。

今年度の研究概要

当該年度は、乳歯薄片を作成方法の検討を進めるとともに、光学顕微鏡内蔵型の質量分析計(iMScope QT)等を用いて、乳歯の特徴である時間軸情報を保持したまま分析できる手法の検討を進める。

課題代表者

岩井 美幸

  • 環境リスク・健康領域
    曝露動態研究室
  • 主任研究員
  • 博士(医学)
  • 薬学,医学,生化学
portrait

担当者