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TNFDに向けた生物多様性評価指標の開発とサプライチェーン分析ツールの開発(令和 5年度)
Development of biodiversity assessment indicators and supply chain analysis tools toward TNFD

予算区分
1
研究課題コード
2323BA002
開始/終了年度
2023~2023年
キーワード(日本語)
生物多様性
キーワード(英語)
biodiversity

研究概要

主に2つの研究を実施する。サブテーマ1では、農業生産・農地利用における生物への影響が対照的であると考えられる2つの観点から生物多様性評価指標を開発する。一つは農地とそこを生息環境とする生物を対象とした「農業と親和可能性のある生物種群への影響」を表す指標である。農地は生物多様性損失の主要な危機要因となっている一方で、伝統的な農業と土地利用によって高い農業生態系の生物多様性が維持されている地域も存在する。そこで、作物タイプ別の農地・作付面積だけでなく、収量などの土地利用強度と多数の生物分布との関係を地球規模で分析し、農畜産物生産と農地利用によるこれらの種群への正・負の生物多様性影響を評価するための指標を開発する。もう一つは農地の開発・拡大によって失われた森林・草地等の自然生態系に生息する生物を対象とした「農地転換によって生息地タイプが変換した生物種群への影響」を表す指標である。特に、農畜産物・鉱物などの生産のための土地改変は森林減少および生物多様性減少の主要因であることが示唆されている3,5。これらの影響について、全球をカバーするグリッドごとに評価する指標とすることで、生物多様性への影響を可視化する。
サブテーマ2では、48の農畜産物および33の鉱物のグリッド別での生産量データ、サプライチェーン分析、そして、サブテーマ1で開発する生物多様性指標を統合させることで、グリッド別・国別の調達による生物多様性への影響を定量化するツールを開発する。本研究では、特に、48の農畜産物および33の鉱物のサプライチェーンの分解、それに対応した空間的な生産マップの作成などを実施する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

サプライチェーンに内在する生物多様性への正と負の影響を48の農畜産物および33の鉱物のグリッド別・輸入国別に定量化することを目標とする。

今年度の研究概要

農作物作付・収量データ、森林減少データ、MODISの農地、IUCNレッドリスト、採掘地のポリゴンデータなどの地理情報を統合する前処理を実施する

外部との連携

東北大学(研究代表機関)

課題代表者

角谷 拓

  • 生物多様性領域
    生物多様性評価・予測研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 生物学
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担当者