- 研究課題コード
- 2323BY002
- 開始/終了年度
- 2023~2023年
- キーワード(日本語)
- 化学物質,難分解性・高蓄積性,化審法,鳥類,OECDテストガイドライン
- キーワード(英語)
- chemical substances,persistent and bioaccumulation,Chemical Substances Control Law,avian species,OECD test guideline
研究概要
現在、我が国の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)において、難分解性・高蓄積性化学物質を第一種特定化学物質に指定する際、鳥類繁殖毒性試験(OECDテストガイドライン206:TG206)に基づく調査が行われている。しかしながら、このTG206は費用や時間の高負担等の課題から、エンドポイントの精緻化の必要性が指摘されている。加えて、近年の動物実験削減の世界的潮流により、不合理な動物実験を避けることが求められている。令和4年度に、卵内投与試験法のテストガイドライン化に向けた第一歩としてOECDにSPSFを提出するとともに、新たな試験法の標準化という長期間にわたる検討課題に対応できる体制を構築することに成功した。そこで、本業務では、1)卵内投与試験法のバリデーション試験の実施、2)エンドポイントの精緻化についての検討、及び3)OECDテストガイドライン化に向けた課題等に対する検討を実施する。国際的調和と連携を図りつつ、日本が主導する卵内投与試験法をOECDテストガイドラインとして確立するための調査・検討を行う。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:政策研究
全体計画
本業務では、専門家の意見を踏まえつつ、以下の調査・検討を実施し、報告書として取りまとめる。
(1)動物実験の3Rs原則を考慮した、迅速かつ費用対効果の高い試験法として、卵内投与試験法の信頼性を検証するためのバリデーション試験を実施するとともに、化学物質による鳥類への有害性を評価するエンドポイントの精緻化を行う。
(2)卵内投与試験法を新たなOECDテストガイドラインとしてOECD WNT及びVMG-Eco等に提案するとともに、情報収集のための調査を行う。
(3)これらの調査検討課題について、資料の作成・整理を行い、専門家からなる検討会を開催する。
今年度の研究概要
(1)卵内投与試験法のテストガイドライン化に向けた検討
ウズラ卵を用いた卵内投与試験法について、OECDテストガイドライン承認のために、SOP案を検討・作成する。
(2)卵内投与試験法のテストガイドライン化に向けた検証試験の実施
卵内投与試験法のテストガイドライン化のために必要な検証(バリデーション)試験を実施する。
(3)OECD WNTへの参加と現地協議の実施及びVMG-Ecoへの参加
OECD WNTに参加し、卵内投与試験法の提案を行うとともに、SPSF共同提案者との実務者協議等を実施する。さらに、VMG-Ecoに参加し、資料作成、当日の説明を行う。
(4)検討会の開催
本業務の円滑な実施のために、専門家からなる検討会を設置し、(1)〜(3)に対する助言を得る。
(5)報告書の作成
上記(1)〜(4)の内容を取りまとめ、報告書を作成する。
- 関連する研究課題
- : 環境リスク・健康分野(イ政策対応研究)
課題代表者
川嶋 貴治
- 環境リスク・健康領域
環境リスク科学研究推進室 - 主幹研究員
- 博士(理学)
- 生物工学,生物学,畜産学
担当者
-
TIN-TIN-WIN-SHWE環境リスク・健康領域
-
鈴木 武博環境リスク・健康領域
-
大野 浩一環境リスク・健康領域