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日本人成人および小児の曝露係数データベースの構築に関する研究(令和 5年度)
Developing a Japanese Exposure Factors Database

予算区分
5RL-2301
研究課題コード
2323BA004
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
曝露係数,曝露評価
キーワード(英語)
Exposure Factors,Exposure assessment

研究概要

化学物質のリスク評価・リスク管理を行う上で、曝露評価は必須である。曝露評価のためには、曝露
シナリオの設定と曝露媒体摂取量(以下、曝露係数という)のデータ整備が不可欠であるが、わが国において、曝露係数に関する調査・研究は不十分であり、データ採取とデータの整備が急務である。また、これらのデータは時代によっても変化するものであり、定期的なデータの更新が必要である。
本研究では、既存調査の情報収集や実測調査を行い、曝露係数データを収集・整備するとともに、今
後どういう頻度で、どのように更新することが必要か、定期的に更新を可能にするための方法の提案を含めたスキームを検討し、曝露係数データベースを構築することを目的として、次の3 点を実施する。
1)国の既存の大規模調査や既往研究、申請者らの先行研究(5-1557、5-2003:土壌摂食量、ハウス
ダスト摂食量、成人女性のパーソナルケア製品使用量、生活習慣に関わる係数)等の情報を収集・集約し、年齢区分ごとに(乳幼児・小児・成人・妊婦)、分布情報(平均値と標準偏差、各パーセンタイル)を含むもの)曝露係数として整備する。2)実データが不足している、子どものパーソナルケア製品使用量について、100 名程度の子どもを対象に実測調査を行う。同時に使用量を推計する簡易調査票の開発を行い、それを用いた500 名規模のWeb 調査を行う。3)2)で開発したパーソナルケア製品使用量の簡易調査票を含め、Web 調査を利用した大規模な調査など、定期的に効率的に更新するための方法や調査票などのツールや体制を検討する。
本課題で得られた曝露係数データや調査手法は、今後の化学物質の曝露評価やリスク評価に利用可能
なものとなる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

最終的に日本人の曝露係数を、既存のデータと一部実測や調査票による調査データから整備し、今後更新するためのスキームを合わせた曝露係数データベースを構築することを目標とする。具体的な内容は下記3 点である。
1)国で実施した既存の大規模調査や既往研究、先行研究(5-1557、5-2003:土壌摂食量、ハウスダスト摂食量、成人女性のパーソナルケア製品使用量、生活習慣に関わる係数)等の情報を収集・集約し、年齢区分ごとに(乳幼児・小児・成人・妊婦)、分布情報(平均値と標準偏差、各パーセンタイル値)を曝露係数として整備する。2)100 名程度の子どもを対象としたパーソナルケア製品使用実測調査および開発する簡易調査票による500 名規模の調査により、実データが不足している子どものパーソナルケア製品(特に日焼け止め類、消毒液、虫よけ剤、保湿クリーム類、歯磨き粉)の使用量データを得る。3)2)で開発したパーソナルケア製品使用量推計の簡易調査票を含め、Web 調査を利用した大規模な調査
など、定期的に効率的に更新するための方法や質問票などのツールや方法を提示する。

今年度の研究概要

・曝露係数となりうる情報を、国民栄養調査、国民生活基礎調査、エコチル調査、
研究論文や報告書等の既往の調査研究の結果から収集し、曝露係数としてまとめる。
調査方法や調査票などのデータ収集スキームも一緒にとりまとめる。
・100 名程度の0-12 歳の子どものパーソナルケア製品の1 週間の使用実態調査を行い(保護者に協力してもらう)、使用量を推計する簡易調査票を作成するための基礎データを収集する。実態調査は、実際に子どもが使用しているパーソナルケア製品をリストアップしてもらい、それぞれ毎回使用前後に重量を計測し、差分を使用量として記録してもらう。簡易調査票は、1 回あたりの使用量の選択と、1 週間あたりの使用頻度を回答してもらう形式とする。

関連する研究課題
  • : 環境リスク・健康分野(ウ知的研究基盤整備)
  • : 環境リスク・健康分野(イ政策対応研究)

課題代表者

高木 麻衣

  • 環境リスク・健康領域
    曝露動態研究室
  • 主任研究員
  • 環境学博士
  • 化学,医学,農学
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