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社会的課題を考慮した自治体効率化施策による行動変容とそれに伴うCO2排出量の推計(平成 27年度)
Behaviour change and CO2 emission caused by taking community efficiency measures considering social challenges

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1416CD011
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
環境政策,二酸化炭素削減
キーワード(英語)
environment policy, CO2 reduction

研究概要

日本の自治体では、直面する人口減少問題や安全安心社会の構築、健全な自治体運営、産業の維持、環境問題への対応など様々な社会的課題に対し、効率化をキーワードとした施策が検討されている。これらの社会的課題は関連しあっているため、複数の課題を同時に解決できるような効率化施策が効果的である。そこで本研究では、自治体における都市集約化等の効率化施策がもたらす効果を包括的に検討・評価する。具体的には自治体特性別の社会的課題を整理し、実効性の高い効率化施策を選定する。その結果を踏まえ、2050年までに効率化施策を実行した場合に、人々の交通行動や住宅内での行動変化をとらえ、その活動に伴うCO2排出量の変化を推計する。これらの定性的・定量的検討により自治体の都市計画に資する情報を提供することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究では2つのサブテーマを設定する。サブテーマ1は、自治体の直面する社会的課題を考慮した効率化施策を検討する。自治体を特性別に分類し、現在あるいは2050年に向けて自治体が直面する社会的課題を整理する。次に、自治体特性と社会的課題を踏まえて複数の自治体効率化施策による効果や障壁を包括的に検討し、自治体に適した効率化施策を提案する。サブテーマ2は効率化施策を講じた場合に人々の交通行動と住宅内での行動変化をとらえ、その活動に伴う2050年までのCO2排出量を推計する。サブテーマ1の検討結果を踏まえ、自治体の効率化施策を実行した場合のメッシュ別人口分布、あるいは交通行動の際の交通手段選択や移動距離、住宅選択の変化に関するシナリオを作成する。推計に用いるパラメータは時間使用データの個票を用いた分析と、3種類のwebアンケート調査(以後、調査?-調査?と表記する)から作成する。
平成26年度の研究計画・方法
【サブテーマ1】研究代表者である金森を中心に、自治体特性別の課題整理と効率化施策の検討を行う[サブテーマ1の1),2)]。また、効率化施策の受容性と効率化施策による引越に伴う住宅選択に関する調査?を実施する。
【サブテーマ2】研究分担者である有賀・松橋を中心に、社会生活基本調査の個票データ使用申請を行い、自治体特性別メッシュ特性別の時間使用データの整備を行う。さらに、現状の自治体特性別メッシュ特性別交通手段選択割合に関する調査?を実施する。
平成27年度以降の研究計画・方法
【サブテーマ1】平成26年度の検討を踏まえ、自治体特性別の自治体効率化シナリオを作成する。
【サブテーマ2】サブテーマ1で作成した自治体特性別シナリオを基に、交通手段選択の変化や移動距離の変化によるCO2排出量の変化の推計と住み替えに伴う住宅からのCO2排出量の変化を推計する。移動方法と住宅の変化により実際の行動変化が現れるまでの時間に関する調査?を実施する。交通行動に伴うCO2排出量の推計は有賀・松橋を中心に、住宅での活動によるCO2排出量の推計は、金森・松橋で検討する。

今年度の研究概要

今年度は、昨年度行った自治体の直面する社会的課題を考慮した効率化施策の検討結果をもとに人口分布シナリオの作成をサブテーマ1を中心に行い、効率化施策を実施した場合の交通行動や住宅内の生活に伴うCO2排出量の推計を行うサブテーマ2については引き続き推計データの準備とモデルの作成を行う。
【サブテーマ1】研究代表者である金森を中心に、昨年度の結果を踏まえて人口分布シナリオについて検討する。特に今後社会に大きな影響を与えるであろう高齢期の居住地選択を検討したシナリオを検討する。
【サブテーマ2】研究担当者全員で、詳細な人口分布シナリオを用いた家庭内行動、移動に伴う二酸化炭素排出量が可能となるようにモデルの作成とパラメータの作りこみを行う。必要に応じて追加調査を実施する。

課題代表者

金森 有子

  • 社会システム領域
    脱炭素対策評価研究室
  • 主幹研究員
  • 工学博士
  • 土木工学,社会学
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担当者