- 研究課題コード
- 2125AA120
- 開始/終了年度
- 2021~2025年
- キーワード(日本語)
- 除去土壌,特定廃棄物,県外最終処分,木質バイオマス,湿潤バイオマス
- キーワード(英語)
- removed soil,specified waste,final disposal,woody biomasss,wet biomass
研究概要
国が定める戦略目標の設定期限2024年をターゲットとし、除去土壌等の減容化や再生利用ならびに県外最終処分に向けた技術開発を行うと共に、シナリオ評価や社会受容性を考慮して適正な総合的技術システムを提案する。木質バイオマスや資源作物等を原料として再生可能エネルギーを製造する技術及びコンバインド技術システムを資源性、有害性、安全性に着目して開発する。同時に、処理過程における放射性セシウム等の有害元素の挙動を明らかにし、バイオマスの利活用シナリオを提案する。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:政策研究
全体計画
ST1 最終処分に向けた除去土壌等の減容化・処分技術システムの開発: 1年目に除染学会研究会からの複数シナリオを発信し、3年目に総合的減容化・処分技術システムの提示をすることで2024年を目途とした国の戦略目標へ貢献する。5年目には戦略目標を実行するための技術開発項目の具体を提案する。また、有効利用推進ならびに県外最終処分における環境安全性に関する科学的なデータとメカニズムを明らかにしつつ、シナリオ評価を通した技術システムを提案し、国の施策や地域社会に実装する。
ST2 対策地域内等におけるバイオマス利活用技術及びシステムの開発: 3年目までに、木質バイオマス発電技術については、安定混焼運転のためのバーク原料の許容量と運転条件を提示するとともに、射性セシウムの挙動の解明を通じて安全な運転管理を提示し、稼働予定施設へ成果を提供する。また、熱処理残渣の有効利用法を提示する。メタン発酵技術については、各種バイオマスのメタン化特性および放射性セシウムの挙動を解明するとともに、熱的処理装置と連携し、派生するCO2を燃料等への変換と炭素貯留を行うCCUS技術システムを構築する。5年目にまでに、炭素排出量最小化もしくはエネルギー収率最大化などを目指したコンバインドシステムとしての最適条件を提示し、対策地域内等における実証もしくは実装を実現する。また、放射性Csに関する研究成果を体系化し、IAEA等のレポート等への情報提供する。
今年度の研究概要
ST1 最終処分に向けた除去土壌等の減容化・処分技術システムの開発: 除去土壌の実証盛土試験を継続し、溶融スラグの実証盛土試験を新たに開始する。また、県外最終処分に向け、イオン交換反応理論を用いた吸着剤評価の手法開発に着手し、技術合理性を考慮したシナリオ・コスト評価を進める。
ST2 対策地域内等におけるバイオマス利活用技術及びシステムの開発: 木質バイオマス発電技術の開発については、施設調査等により複数の熱変換方法における放射性セシウムの挙動を明らかにするとともに、特に炭素系残渣の安全性評価と土壌固定化等の検討を進める。また、メタン発酵技術に関して木質、草本バイオマス発電の残渣等を利用した発酵促進資材の作成と効果検証に取り組む。
外部との連携
中間貯蔵・環境安全事業(株)、産業総合技術研究所、農研機構、福島県環境創造センター、ヤンマーエネルギーシステム(株)、(株)バイオガスラボ、エコロミ(株)、神鋼環境ソリューション、クボタ、Hitz、工学院大学