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「有害廃棄物の処理に向けた研究」のあゆみ

 本研究を含む「廃棄物の不適正処理に伴う負の遺産対策」のための調査・研究は、循環型社会・廃棄物研究センター発足(2001年4月)以来、以下の課題を実施しています。

課題1.「ダイオキシン類・PCBの分解処理とバイオアッセイモニタリング」
(平成12~14年度)

 廃PCBの紫外線分解法およびパラジウム・カーボン触媒分解法について、時間経過とともに中間体や分解生成物を特定することにより、塩素置換位における反応性の違いを明確化し、分解経路を解明しました。

課題2.「POPs廃棄物処理基準検討調査」(平成13~15年度)

サブテーマ1:ポリ塩化ナフタレン(PCN)含有廃棄物の処理過程における非意図的生成POPsの制御に関する調査

サブテーマ2:シュレッダーダストの処理過程における非意図的生成POPsの制御に関する調査

 化学物質審査規制法に違反して輸入されたPCNを処理するため、熱処理プラント施設により熱分解処理を行い、非意図的生成POPsの物質収支およびPCNの分解挙動を把握、熱分解処理の条件を設定しました。

課題3.「PCB廃棄物一貫処理システムの安全性、信頼性向上に関する研究」
(平成14~16年度)

 金属ナトリウム分散体法について、分解反応生成物中の脱塩素生成物や重合生成物の構造推定を行い、有機塩素化合物が残存していないことを確認しました。また、紫外線分解法および触媒分解法と比較、各分解法の特徴を把握することによりPCB処理システムの安全性を確認しました。

課題4.「循環廃棄過程を含めた水銀の排出インベントリーと排出削減に関する研究」
(平成17~19年度)

 残留性有害物質として国際的管理が必要とされる水銀に関し、日本における大気への排出量を燃焼・焼却・製造部門の全排出源(30カ所)について推定しました。

課題5.「アスベスト含有廃棄物の分解処理による無害化の確認試験方法の確立とその応用」(平成18~20年度)

 アスベスト含有廃棄物や分解後の処理物について透過型電子顕微鏡を用いた標準的分析法の開発を行い、熱処理によるアスベスト繊維の挙動変化を確認しました。また、無害化処理レベル設定のため、土壌や底質など一般環境試料の測定と評価を行いました。


これらの研究は以下の組織・スタッフにより実施されてきました。

研究担当者・当時

  • 循環型社会・廃棄物研究センター
    貴田晶子、山本貴士、野馬幸生、滝上英孝、渡部真文、酒井伸一(現 京都大学)、平井康宏(現 京都大学)、安原昭夫(現 東京理科大学)、高橋史武(現 九州大学)