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国立環境研究所公開シンポジウム2010開催報告 国立環境研究所セミナー委員会

国立環境研究所公開シンポジウム2010開催報告

 毎年6月に開催している国立環境研究所公開シンポジウムは今年で13回目となりました。本年は、生物多様性条約の締約国会議が名古屋で開催されることもあり、国内でも生物多様性への関心が高まっています。そこで今回のシンポジウムでは「4つの目で見守る生物多様性 —長い目、宙(そら)の目、ミクロの目、心の目—」と題して、国立環境研究所での生物多様性の保全にかかわるさまざまなアプローチからの研究の成果をご紹介することにしました。

 生物圏環境研究領域、環境リスク研究センター、アジア自然共生研究グループ、地球環境研究グループから5つの講演を用意しました。6月19日(土)は東京の九段会館、また1週間後の26日には京都のシルクホールを会場にして開催し、東京では約550名、京都では250名近くの方々においでいただきました。ご来場の皆様に心より御礼申し上げます。

 講演の部では、最初に生物多様性という概念と、このシンポジウムの趣旨を説明する講演があり、続いて4人の演者がさまざまな目で生物多様性に取り組んだ研究を紹介しました。講演の演者とタイトルは以下の通りです。
竹中 明夫 「はじめに : 多様な生き物を見守る視点」
高村 典子 「危機に瀕する湖沼と池の生物多様性 — モニタリングから見えてくる湖沼や池の生物の変化—」
河地 正伸 「藻類の多様性 —環境問題から保全、そして利用—」
小熊 宏之 「空からせまる生物多様性」
福島 路生 「川の魚に対するダムの影響評価 —北海道とメコン川を舞台に—」

 昨年に続き、5つの講演を終えたあとに安岡善文・研究担当理事がそれまでの講演の総括をして締めくくりました。それぞれに内容の濃い講演のあとに、こうしたまとめをするという試みは、幸いにしてご好評をいただいているようです。

 シンポジウム全体をひとつの問題に絞って構成するようになって今回で5回目となります。特に今年はポスター発表も全体のテーマに沿ったものでまとめました。講演の前と後にポスターセッションの時間を設定し、生物多様性に関連した研究の成果を13枚のパネルで展示して、その内容をそれぞれ担当の研究者が説明しました。講演後のセッションでは、5人の講演者も講演内容の一部を展示したパネルの前に立ち、ご来場の皆様の質問にお答えしました。

 なお、講演の様子はDVDに収め、後日配布の予定です。また研究所のホームページ(http://www.nies.go.jp/sympo/2010/)にも講演の映像を掲載します。ぜひご利用ください。

講演の様子
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