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有機性廃棄物と焼却灰の混合による水素発生メカニズムの解明(平成 16年度)
Elucidation of mechanism on the hydrogen production in the mixture of organic waste and incineration ash

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0404AF440
開始/終了年度
2004~2004年
キーワード(日本語)
水素,焼却灰,コンポスト,有機性廃棄物,微生物発酵
キーワード(英語)
HYDROGEN,INCINERATION ASH,COMPOST,ORGANIC WASTE,MICROBIOL FERMENTATION

研究概要

有機性廃棄物やコンポストと焼却残さを混合し常温で放置すると、水素が高濃度で継続的に発生するという現象がある。この反応は、生物学的および化学的反応の複合した生成機構であると考えられるが、その反応機序については不明である。本課題では、非制御系での複合的な水素生成機構を明らかにし、安価で効率的な水素生成プロセスの構築および処分場や再資源化施設での不規則な水素生成の抑制を目的として、本プロセスにおける水素生成機序を明らかにする。食品残さ、農業系廃棄物、厨芥などの各種有機性廃棄物、コンポスト等の再生品の生物学的水素生成ポテンシャルを評価するとともに、各種焼却残さとの組み合わせによる水素発生の促進機構について、生物学的な因子(生物量、酵素活性、基質濃度)および化学的因子(水素生成に関与する金属量、活性中心金属の含有量)の両面から検討する。最終的には反応抑制と促進の両側面から工学的な水素生成の制御手法を提案する。

全体計画

有機性廃棄物と焼却灰の混合プロセスにおける水素生成機序を明らかにする。非制御系での複合的な水素生成機構について、生物・化学単独での反応性に加えて、焼却残さに含まれる金属類の生物反応への関与を明らかにするとともに、水素生成反応の制御因子の抽出を試みる。さらに本研究で得られた知見を元に、廃棄物バイオマスを利用した効率的な水素生成プロセスとしての実用化に向けた開発へと展開可能である。その際には、水素生成反応後の原料(廃棄物)の物性の変化についても着目する必要がある。また一方では、処分場内での本反応の発生状況の解明ならびにその抑制手法の提案を行っていくことも求められる。こうした展望を踏まえて処分場原位置での制御(抑制ないし回収)可能性および中間処理としての適合性について検討を行う。

今年度の研究概要

微生物による有機性廃物由来の水素発酵生産の活性を評価するとともに、水素生成を促進および阻害する物理化学的な因子について検討する。また、化学的水素生成反応のポテンシャルについて明らかにするとともに、その反応速度に影響を与える要因について考察する。得られた知見を元に包括的な水素生成メカニズムを明示するとともに、廃棄物混合処理による安価で効率的な水素生成プロセスの構築および廃棄物処理現場での不規則な水素生成現象を管理する手法を開発する。

備考

共同研究機関:埼玉県環境科学国際センター

課題代表者

石垣 智基

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(工学)
  • 生物工学,工学,化学工学
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