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資源性・有害性をもつ物質の循環管理方策の立案と評価(平成 19年度)
Management of hazardous and valuable substances in product life cycles

予算区分
AA
研究課題コード
0610AA202
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
資源循環,リスク制御,プラスチック添加剤,有害金属,二次製品,資源性物質,有害性物質
キーワード(英語)
RESOUCE RECYCLING, RISK MANAGEMENT, PLASTIC ADDITIVES, HAZARDOUS METALS, SECONDARY MATERIALS, VALUABLE SUBSTANCES, HAZARDOUS SUBSTANCES

研究概要

廃棄物の適正管理及び、製品、資源の循環的利用が有害性と資源性(有用性)の両面を見据えた新たな物質管理手法の下に行われることを目指し、国民の安全、安心への要求に応えつつ、資源の循環的利用を促進し、資源回収・適正処理の高度化を支援することを目的とする。到達目標は、資源性と有害性の両面を見据えた物質管理方策を提示し、再生品促進のための環境安全品質の管理手法を確立することである。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:

全体計画

 18年度 プラスチック添加剤等を安全性確保の面からレビューし、有用性・有害性をもつ物質群を選定し分析法の検討を行うとともに、製品使用に伴う臭素系難燃剤等の室内及び家電リサイクル施設における挙動、環境排出に関する実態調査を行う。水銀等有害金属については、物質のサブスタンスフロー、リサイクル・廃棄過程を含めた環境排出量の把握に着手する一方、短期的及び中長期的に優先性の高い資源性金属群を選定し、物質フローの整備に着手する。また、複合素材中の金属の試験方法を検討し、製品・廃製品中含有量のデータ取得を開始する。さらに、建設資材系再生品の環境安全性評価試験系のレビューと類型化を行い、利用形態と利用環境ごとに安全品質管理に必要な情報を提示し、新規の環境曝露促進試験や特性評価試験の必要性等を抽出する。従来型の特性評価試験についても、高精度化と簡略化を図る。
 19年度 プラスチック添加剤等の物性、毒性データを整備しリスク評価及び得失評価に用いる。再生プラスチック製品における臭素系難燃剤等、混入化学物質の調査を行い、従来製品との有用性、有害性の両面からの比較考察を行うとともに化学曝露メカニズムについて一定知見を得る。水銀のサブスタンスフローを精緻化し、資源性金属類のフローに着手する。リサイクル・廃棄過程における有害性金属類の環境排出量、動脈系への移動について実験的検討、フィールド調査によりデータ集積を行う。国内及び国際資源循環に対応して移動する金属類の推定手法に着手する。建設資材系再生製品からの有害成分の挙動について、各種試験を再現し実際挙動を表現できる発生源モデルと、評価試験データを発生源情報とする移動モデルを設計する。従来型特性評価試験の精度を評価し、標準化を完成させる。環境曝露促進試験、新規特性評価試験の原案を設計する。
 20年度 プラスチックリサイクル過程におけるプロセス挙動、環境排出量調査を行い、再生製品のリスク低減対策技術について調査を行う。廃製品や廃棄物、環境媒体などにおける代替難燃剤の存在量調査を行う。難燃剤製品間の有用性、有害性の得失評価に向けた指標について検討を行う。資源性・有害性を有する金属類について、国際物質循環も考慮してサブスタンスフローを精緻化する。資源性金属類について、素材、製品中の含有情報を集積しつつ、リサイクル方法に応じた金属資源の回収可能性について指標化の方法論を検討する。再生製品の評価試験群のフレームを再整備し、個別の評価プログラムを提示するとともにケーススタディを行う。発生モデルと移動モデルを接合させ、再生製品利用場と周辺環境における有害成分挙動の評価手法を検討する。特性評価試験と発生・移動モデルによる評価プログラムの有効性確認のため、フィールド試験に着手する。
 21年度 プラスチック関連物質のリスク制御対策について実証レベルの評価を行う。各種リサイクル方法によるリスク低減比較、ライフサイクル評価を実施する。難燃剤を対象に現行物質と代替物質間での有用性、有害性得失評価のケーススタディ解析を実施する。リサイクル方法の将来予測に対応したサブスタンスフロー変化の推定と環境排出量の推定を行う。廃製品群・廃棄物からの資源性金属の回収性向上の技術的・政策的方策を検討する。潜在的資源の探索とその資源回収性について評価する。これまでの蓄積されたフローデータと周辺情報をもとに資源性・有害性の評価指標開発に着手する。環境曝露促進試験、新規特性評価試験の精度評価を実施し、標準化を進める。各種試験について、網羅的にデータを蓄積する。フィールド試験を継続する。建設資材系以外の再生製品や一次製品への評価試験群の適用性を検討する。
 22年度 プラスチック樹脂、添加剤に関する管理方策のあり方について総括的な提言を行う。プラスチック含有物質の有用性、有害性の得失評価手法について提示する。新規対象物質に関する取り組みについて継続調査を行う。製品、素材中の金属量情報、詳細なサブスタンスフロー、資源性評価、資源循環に伴う環境排出等を総合し、資源性金属類の回収率向上の方策及び環境排出の低減方策をまとめ、金属類における有害性低減と適切な資源循環のありかたを提示する。フィールド試験による評価プログラムの有効性確認を完了する。評価試験と計算モデルに基づいた再生製品安全品質レベル決定手法を提示する。再生品品質管理および安全品質レベル設定手法のガイドライン化を行う。建設資材系とそれ以外の再生製品に対する試験データの蓄積を進める。

今年度の研究概要

(1)プラスチック添加剤等の物性、毒性データを、リスク評価及び得失評価に用いるべく整備する。再生プラスチック製品における臭素系難燃剤等混入化学物質の調査を行い、従来製品との有用性、有害性の両面からの比較考察を行う。また、住宅や廃棄物中間処理施設を対象とした物質挙動と制御の調査を継続する。臭素系難燃剤に着目した廃製品リサイクルのLCAを行い、リサイクル手法間での比較評価を行う。(2)インジウム、タンタル等資源性金属のサブスタンスフローに着手する。有害性金属の環境排出量、動脈系への移動について実験的検討、フィールド調査によりデータ集積を行う。水銀についてはインベントリの精緻化を行う。情報関連機器・家電製品・遊具等の国内及び国際資源フローに着手し、移動する金属類の推定手法に着手する。(3)建設資材系再生品からの有害成分の発生源モデルと移動モデルを構築するとともに、新規の環境曝露促進試験や特性評価試験を作成し試行する。従来型の特性評価試験の精度評価を実施し、環境最大溶出可能量試験については試験規格として完成させる。

課題代表者

野馬 幸生

担当者