- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0707AE385
- 開始/終了年度
- 2007~2007年
- キーワード(日本語)
- 酸素漏出,水生植物,根
- キーワード(英語)
- radial oxygen loss, wetland plants, root
研究概要
湿地の土壌は非常に嫌気的で、このような場所に生育する水生植物の根は常に酸素不足ストレスにさらされている。水生植物の多くはこの問題に対応するため、体内の空隙を通じて地上部から地下部へ酸素を供給している。送られた酸素は根の呼吸によって消費されるが、一部は根の表面を介して土壌へと漏出している。これによって嫌気的土壌中にモザイク状の好気的環境を形成し、微生物環境を大きく変える要因となる。
本研究では、水生植物の根からの酸素漏出が、周辺土壌環境へ与える影響について明らかにすることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
日本の湿地でよく見ることの出来る大型抽水植物ガマ属について、以下の検討を行う。
1)水生植物が生育している土壌と生育していない土壌での理化学特性の比較を行う。
2)根圏土壌と非根圏土壌の微生物活性を比較する。
3)水生植物が生育している土壌と生育していない土壌での物質代謝(炭素循環)の違いを明らかにする。
4)東京都にある人工池(牛ヶ淵)にて植生調査および環境測定を行う。
今年度の研究概要
圃場に設置した人工池でポット植えの水生植物を培養し、定期的に水、土壌を採集する。採集したサンプルを理化学分析にかけ、植物の有無、植物の種によってどのようにことなるか検討する。また、温室効果ガスとして重要なメタンガスの放出量についても検討する。
- 関連する研究課題
- : アジア自然共生研究グループにおける研究活動
課題代表者
井上 智美
- 生物多様性領域
環境ストレス機構研究室 - 主幹研究員
- 理学博士
- 生物学,化学