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オゾンによる植物被害とその分子的メカニズムに関する研究(平成 19年度)
Study on plant injury caused by ozone and its molecular mechanisms

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
0708AH293
開始/終了年度
2007~2008年
キーワード(日本語)
オゾン,植物影響,ストレス診断,遺伝子発現
キーワード(英語)
ozone, effect to plants, stress diagnosis, gene expression

研究概要

オゾンの影響による森林の減少や農作物の減収等が強く懸念されることから、植物被害の実態把握と被害原因の特定が急がれる。そのため、これまで個別に行なわれてきた地方環境研究所等における植物の被害実態に関する研究の情報の統合、及び継続した共同調査を実施する。同時に、国環研で進められている遺伝子を用いた植物のオゾンに対する応答機構の解析の成果を導入し、分子的メカニズムに裏づけられた植物のストレス診断手法を確立して、各地環研における実際の植物被害調査への利用を図ることも目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

各地環研等において、野外で生育させた植物(主としてアサガオ)の夏季におけるオゾン被害の状況を毎年調査する。18年度まで:オゾン暴露時のアサガオ葉の遺伝子発現を調べ、ストレス診断に使用できる遺伝子の種類を検討する。各地環研等で採集したアサガオのオゾン被害葉と無被害葉での一部の遺伝子の発現を調べる。19年度:各地環研等で採集したアサガオ、その他の植物で、オゾンストレスの診断に適した遺伝子の選定を進め、遺伝子発現の検出法を検討する。20年度:アサガオやその他の植物における遺伝子発現を用いたオゾンストレス診断法の確立を目指す。

今年度の研究概要

18年度と同様に地環研等において実態調査を行い、被害植物については、アサガオに加え各都県の実状に合わせ、ホウレンソウ、ブナ、ミツバなどを対象に加える可能性を検討する。野外において発現した被害植物を遺伝子解析用に採取し、国環研に送る。国環研はこれらの植物におけるオゾン応答遺伝子の発現や構造の解析を行う。一部は地環研等でも解析を試みる。植物被害情報の共有化を図るとともに、被害の数値化や、被害発現に係る諸条件(大気汚染、気象条件、土壌等)について検討を行う。国環研での遺伝子解析の成果を基に、分子的メカニズムに裏付けられた植物被害調査手法を検討する。具体的には、オゾンによる被害を的確に反映し、診断に使用できるような遺伝子の選定を行う。

備考

旧研究課題コード:0610AH400
平成19〜20年度地方公共団体環境研究機関と国立環境研究所との共同研究提案課題。
研究協力:千葉県環境研究センター(企画情報室 岡崎淳)千葉県農業総合研究センター(生産環境部 松丸恒夫、真行寺孝)埼玉県環境科学国際センター(自然環境担当 小川和雄、三輪誠)神奈川県環境科学センター(環境保全部 相原敬次、武田麻由子)福岡県保健環境研究所(環境科学部環境生物課 須田隆一、中村朋史)

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動(生物圏環境研究領域)

課題代表者

青野 光子

  • 生物多様性領域
  • 副領域長
  • 博士(理学)
  • 生物学,生理学,生化学
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担当者

  • 久保 明弘