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東アジア域におけるエアロゾル空間分布の把握およびその変動の抽出に関する研究(平成 19年度)
Retrievals of spatial distribution of aerosols and its temporal variations in East Asian region

予算区分
AE 経常
研究課題コード
0711AE458
開始/終了年度
2007~2011年
キーワード(日本語)
エアロゾル,空間分布,ライダー
キーワード(英語)
aerosol, spatial distribution, lidar

研究概要

これまで国立環境研究所が東アジア域に展開してきたライダーネットワークにより、大規模なエアロゾル現象の空間的拡がりや時間発展の様子が準リアルタイムで可視化できるようになった。今後は蓄積されたデータからエアロゾル分布の特徴を示す代表的なパラメータを抽出し、その空間分布や長期変動を示すことで観測結果を各種モデルの検証などに活用していかなければならない。そのような観点から、ライダー観測の特長を活かしたエアロゾル分布パラメータの決定、過去データからの抽出、時間変動の検出を行い、東アジア域大気環境変動を総合的に記述していくことを目標とする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

2007年現在、環境省に対する黄砂情報提供用に試験運用しているライダーデータリアルタイム処理システムを改善し、境界層上端高度などの情報も同時に処理してその後の解析により適したデータセットを作成する。また過去データについても同様の処理を施し、それらを用いて各地点におけるエアロゾル分布の長期変動の検出を行う。さらに、それらエアロゾルに関するパラメータと気象要素との対応を調査し、様々な時間スケールの気候現象とエアロゾル分布との関連について明らかにする。

今年度の研究概要

ライダーの後方散乱信号からエアロゾル後方散乱係数を求めるインバージョン方法の改善を統計的手法を用いて行い、これまで活用できていなかった曇天時の観測結果からもエアロゾルに関する定量的なデータを取得する。この手法をリアルタイム処理に統合して、物質輸送モデルに対するデータ同化用プロダクトとすると共に、エアロゾル分布の特徴を示すパラメータのデータベースを作成する。それらデータベースから、今年度は各地点におけるエアロゾル分布の年周変化を重点的に解析し、特に中核プロジェクト上で重要な位置を占める沖縄県辺戸岬におけるエアロゾル鉛直分布に関してその特徴を抽出し、物質輸送モデルの検証や他の地上測器による観測結果の解釈に応用していく。

関連する研究課題
  • : アジア自然共生研究グループにおける研究活動

課題代表者

清水 厚

  • 地域環境保全領域
    広域大気研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(理学)
  • 物理学,地学
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