- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0808AF001
- 開始/終了年度
- 2008~2009年
- キーワード(日本語)
- オゾン層,成層圏,不均一反応
- キーワード(英語)
- ozone layer, stratosphere, heterogeneous reaction
研究概要
粒子上での不均一反応によって、硝酸塩素(ClONO2)はオゾンを直接破壊する活性塩素に効率よく変換される。このため、その反応速度の定量化は極域オゾンの将来予測にとって重要なテーマであるが、特に極成層圏雲(PSC)の1つである、硝酸三水和物(NAT)上での反応の重要性の是非が論点となっている。そこで、NAT観測結果と、同時に測定されたClONO2データ、さらには数値モデル計算による理論値から、NATの不均一反応速度を定量的に明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
液滴のエアロゾル・PSC上での不均一反応については、理解が進んでいるところである。しかしながら、NAT上のそれについては、液滴粒子に匹敵する大きさであるという報告と、2桁以上小さいという報告がある。そこで、ILAS-IIデータと数値モデル計算を利用して、どちらのスキームを用いたモデルが、より良く観測を再現し得るのかを調べる。先ず、2003年南極を対象とし、ラグランジュ解析により、同一空気塊における、NATとClONO2の時系列(5日間以内)をILAS-IIデータから調べる。次に既存の光化学モデルの改良(NATの不均一反応スキームの組み込み)を実施する。ILAS-IIデータから境界条件を設定し、異なるスキームによるClONO2濃度の時間変化を計算する。
今年度の研究概要
南極成層圏におけるエアロゾル・PSC粒子上での不均一反応過程について、ILAS-IIが測定したClONO2データを用いて、粒子存在下でのその濃度変動をラグランジュ的に調べる。平行して、数値モデル計算により、異なる2つの不均一反応スキームのうち、どちらがより良くClONO2濃度を再現し得るかを調べる。
備考
平成21年度(2009年度)に引き続き実施し、平成21年度の前期奨励研究とともに事後評価を受ける。
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動
課題代表者
杉田 考史
- 地球システム領域
地球大気化学研究室 - 主幹研究員
- 理学
- 地学