- 予算区分
- BD 環境-環境技術
- 研究課題コード
- 0509BD785
- 開始/終了年度
- 2005~2009年
- キーワード(日本語)
- クロマトグラフィー,メタボロミックス,ハイスループット,グリーンケミストリー
- キーワード(英語)
- CHROMATOGRAPHY, METABOLOMICS, HIGH THROUGHPUT, GREEN CHEMISTRY
研究概要
本研究においては、廃液処理を必要としない高度なクロマトグラフィー法の革新的技術開発とそれを用いた環境試料や生体試料のまったく新しい高感度・高分解能分析方法の開発を行う。優れた温度応答性親水/疎水性可変を示すことをカラム素材をコア物質として用い、「環境に優しい環境分析技法」を確立することを目的とし、また、本技術をハイスループットな環境試料・生体試料分析へ応用することを目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
温度応答性親水/疎水性可変ポリマーの特性解析、ポリマー素材の開発、温度制御方法の改良、環境試料や生体試料への応用、製品開発などのため、以下の研究内容に基づき研究開発を進めることとする。
1.ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)共重合体の作製とその親水/疎水性特性の温度勾配特性の解析を行う。温度応答性親水/疎水性可変ポリマーにカルボキシル基やアミノ基、リガンド分子などの官能基を加えることにより、疎水性に加えてイオン交換性やアフィニティー性を持たせ、カラムの分離特性を向上させる。
2.ペルチエ方式よりも応答性の高い温度勾配作製技術を開発し、温度応答性親水/疎水性可変ポリマーの適用範囲と理論段数の改良を行う。また、電子線重合を用いて支持体へのポリマーのグラフト方法を改良する。
3.温度応答性親水/疎水性可変ポリマーを用いた環境有害化学物質の分析を行う。水系クロマトグラフィーとプラズマ質量分析器などを接続し、不安定な代謝物の同定など行う。
4.分離特性の高いポリマーを水系クロマトグラフィー用カラムとして用いるための、成形、充填、支持体へのグラフト方法の改良を行う。
今年度の研究概要
昨年に続き、生体試料、ならびに環境試料をポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)のポリーマー鎖をナノ制御することにより分離するシステムの開発を行う。また、イオン交換基やアフィニティーに関連する官能基を挿入した温度依存的カラムの分離特性の解析を行う。特に、活性エステルを導入したポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)を作製することにより、ヒ素化合物などの環境有害物質やそれらの体内代謝物を親水/疎水性特性の温度勾配を利用して分離する方法を確立する。また、血清蛋白などの分離方法についても検討する。
- 関連する研究課題
課題代表者
平野 靖史郎
担当者
-
小林 弥生環境リスク・健康領域