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オイル産生緑藻類 Botryococcus(ボトリオコッカス)高アルカリ株の高度利用技術 (最適増殖・オイル生産に導く培養基盤技術と高度品種改良技術の開発)(平成 20年度)
National research project for mass cultivation of oil producing Botryococcus in Japan

予算区分
KB JST
研究課題コード
0813KB001
開始/終了年度
2008~2013年
キーワード(日本語)
ボトリオコッカス,バイオマスエネルギー,微細藻類,地球温暖化
キーワード(英語)
Botryococcus, biomass energy, microalge, global warming

研究概要

単位面積あたりのオイル生産効率を一桁向上するための生物学的基盤を確立することを目的として、
1) オイル産生微細藻類の有用株の選定と評価をおこなう。
2) オイル産生藻類に関する既存の情報並びに各グループの研究より得られたデータ・情報について統合的に登録・利用可能なデータベースを管理する情報センターの構築をおこなう。
3) 有用株の突然変異誘起及び遺伝子組換えによる高増殖活性、広環境適応性、高オイル生産性、高CO2利用性等高機能性変異株の作成を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

1) 高い生産効率を生み出すため、ボトリオコッカスや将来的にボトリオカッカスとの組み合わせが可能な他の藻類の新規野性株を収集することを目的として、高温・高アルカリ環境、気生・土壌環境、汽水・沿岸環境等を対象として分離源試料を収集し、各種多様な因子を適宜組み込んだ選抜培養条件下で培養を行い、増殖能とオイル生産に優れた培養株を選抜する。選抜株は培養センターにおける最適培養条件サーベイシステムでの研究及び品種改良研究で利用される。また、屋外開放系培養のための基礎的知見を得るために、ボトリオコッカスが大量に発生する水域での発生機構を明らかにする。

2) これらの選抜株と既存のアリカリ性株に紫外線照射や変異源物質を与えて突然変異を誘発させ、高増殖活性、広環境適応性、高オイル生産性、高CO2利用性等高機能性変異株の作成を行う。また、2011年度末までに遺伝子導入系を開発し、遺伝子組換え技術等により新たな有用な特性をもった変異株を作成する。

3) 各研究グループによる研究より得られたデータ・情報について統合的に登録・利用可能なデータベースを構築し、様々な環境条件下でのオイル生産のシミュレーションが可能となるデータ・情報も組み入れた情報センターを構築する。

今年度の研究概要

1) 汽水域を含む陸水環境からボトリオコッカスや他のオイル産生微細藻類の探索、分離・培養を行い、培養株を確立する。培養株の塩分耐性、至適温度、至適pH等の増殖特性を培養試験により調査するとともに、油分計でオイル産生能を評価する。

2) ボトリオコッカス等オイル産生藻類・従属栄養性原生生物に関する既存の情報並びに当該研究で得られる予定のデータ種を想定して、データベースの基本設計を行う。

3) ボトリオコッカスに突然変異を効率良く誘発することを目的として、紫外線照射や突然変異誘発剤での処理条件の検討をおこなう。紫外線照射量、突然変異誘発剤の処理濃度と生存率、塩濃度や温度による生存率との関係を明らかにする。また、ボトリオコッカスのオイル生産活性が高い時期に発現している遺伝子の塩基配列データの網羅的取得を行い、組換え体用ベクターの設計や導入遺伝子選択のための基礎データを得る。

備考

この研究の全体研究代表者は筑波大学 渡邊 信 教授であり、国立環境研究所はサブテーマの1つを担当する。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

中嶋 信美

  • 生物多様性領域
    環境ゲノム研究推進室
  • シニア研究員
  • 農学博士
  • 生物学,農学,生化学
portrait

担当者

  • 河地 正伸生物多様性領域
  • 田野井 孝子
  • 五百城 幹英