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平成20年度水質環境基準生活環境項目検討調査(現地調査及び機構解明)業務(平成 20年度)
Examination on Environmental Quality Standards for Conservation of the Living Environment in F.Y. 2008 (field observation and mechanism study)

予算区分
BY 環境-委託請負
研究課題コード
0808BY007
開始/終了年度
2008~2008年
キーワード(日本語)
河川,湖沼,海域,溶存有機物,COD,TOC
キーワード(英語)
river, lake, coast, DOM, COD, TOC

研究概要

水質環境基準の生活環境項目は、設定から35年以上を経過し、環境保全活動の推進につながりにくいとの指摘がなされている。この指摘に対し、我々は、過年度調査により、今後さらに検討すべき課題として、(1)海域の貧酸素水界発生機構、(2)湖沼のN/P比変動機構、(3)有機汚濁指標としてのTOC指標性・有機汚濁機構等を採りあげ、その機構解明が必要であると取りまとめた。本調査では、これら3項目につき、現在得られる最新の情報を整理し、さらに、現地調査を実施して、上記機構解明を進展させることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

上記の目的を達成するため、また、提示された仕様書に従い、以下のサブテーマによる調査研究を実施する。(1)「海域における下層DOの消費に係る有機物の影響等の検討について」ア「表層における懸濁態有機物の組成(内部生産若しくは陸域起源)及び有機物の現存量の把握に関する検討」、イ「海域における貧酸案水塊発生要因となる有機物の易分解性・難分解性の定量的な評価の検討」、ウ「海域における有機物、栄養塩の沈降と底層から水塊部への供給の定量的な情報の把握」、エ「数理モデルを用いた貧酸素水塊に対する制御指標の検証」、(2)「湖沼におけるN/P比に対する影響因子としての窒素、リンの底泥溶出の評価について」、(3)「全有機炭素(TOC)の河川、湖沼における有機汚濁指標としての知見集積について」ア「河川・湖沼における水道利用及び水産利用等を前提としたTOCの管理指標としての特性に関する検討」、イ「利水に影響を及ぼす特性を有する有機物の発生源に関する検討」、ウ「都市河川においてDO消費を制御する有機物指標及び測定手法の検討」、及び追加的調査として「透明度を規定する要因に関する基礎的検討」

今年度の研究概要

サブテーマ(1)海域における下層DOの消費に係る有機物の影響等の検討では、東京湾調査を実施し、表層における懸濁態有機物の組成(内部生産若しくは陸域起源)及び有機物の現存畢の把握に関する検討を行い、海域における貧酸素水塊発生要因となる有機物の易分解性・難分解性の定量的な評価・検討を行う。同時に、海域における有機物、栄養塩の沈降と底層から水塊部への供給の定量的な情報の把握を目的とした東京湾調査を度実施する。さらに、数理モデルを用いた貧酸素水塊に対する制御指標の検証を行う。
サブテーマ(2)湖沼におけるN/P比に対する影響因子としての窒素・リンの底泥溶出の評価では、霞ヶ浦における調査を基に、湖沼底泥からの栄養塩(窒素、リン)の溶出フラックス(単位面積当たりの溶出量)を実測することにより、底泥溶出が湖水N/P比に及ぼす影響を評価する。
サブテーマ(3)全有機炭素(TOC)の河川、湖沼における有機汚濁指標としての知見集積では、霞ヶ浦及び流入河川及び十和田湖における調査により、河川・湖沼における水道利用及び水産利用等を前提としたTOCの管理指標としての特性に関する検討を行う。また、霞ヶ浦集水域、釜房ダム集水域における調査により、利水に影響を及ぼす特性を有する有機物の発生源に関して検討する。さらに、鶴見川、大和川にて調査し、都市河川においてDO消費を制御する有機物指標及び測定手法を検討する。

関連する研究課題
  • 0 : 領域プロジェクト

課題代表者

木幡 邦男

担当者