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カーボンフリーBDFのためのグリーンメタノール製造及び副産物の高度利用に関する技術開発(平成 21年度)
Production of green methanol for carbon-free BDF and development of efficient conversion technologies from by-product metarials

予算区分
MA 委託請負
研究課題コード
0709MA564
開始/終了年度
2007~2009年
キーワード(日本語)
バイオディーゼル燃料,廃食用油,挙動,精製,混入不純物,イオン交換樹脂,水素発酵,メタン発酵,バイオマス
キーワード(英語)
BIODIESEL FUEL, WASTE COOKING OIL, BEHAVIOR, PURIFICATION, CONTAMINANTS, ION EXCHANGE RESIN, HYDROGEN FERMENTATION, METHANE FERMENTATION, BIOMASS

研究概要

京都市廃食用油燃料化事業のバイオディーゼル燃料(BDF)製造施設において、水や遊離脂肪酸等の不純物を多量に含む未利用な低品質油脂類を新規BDF原料として受け入れることを目指して、実機BDF製造プロセスにつなげるための前処理技術を選定・開発し、実証試験を行うことを目的としている。また、BDF製造過程での副生グリセリン廃液の有効利用を図るとともに分別収集厨芥類を原料としたバイオガス回収量の向上と発酵残渣・発酵廃液発生量の低減が可能な都市型バイオガス化システムを構築する。一連の技術開発を統合し、さらに進化させるためのシステム解析技術を開発することにより、都市ごみ処理における効果的な地球温暖化対策の実現を目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

未利用の低品質廃油脂類の賦存量、回収可能性および性状調査を踏まえて、それらを既存の BDF製造施設において原料として利用するための技術を選定する。さらに、実証試験装置を設置し、試験運転を行うことにより、原料拡大を目的とした本技術システムに対してそのフィージビリティを評価する。初年度は、トラップグリースなどの未利用低品質廃油脂類の性状調査をもとに、その低品質廃油脂類からBDFを製造するための前処理技術を収集・整理し、適用性や実績から適切な前処理技術の選定を行う。(平成19年度)。次年度は、家庭系廃食用油に混入する可能性のある不純物の挙動の把握とその対策技術を検討するとともに、イオン交換樹脂の不純物除去技術としての適用効果を評価する。また、京都市伏見区の発酵実証プラントを基盤とし、BDF製造過程での副生グリセリン廃液をはじめとした種々の廃棄物系バイオマスの水素発酵によるガス化・エネルギー回収のポテンシャル評価試験を実施する(平成20年度)。前年度までの成果を踏まえて開発技術の実証試験を行い、既存実機に組み込んだトータルシステムのフィージビリティ評価(実機性能と経済評価)を行う。また、副生グリセリン廃液や廃棄物系バイオマスの水素発酵ポテンシャル評価試験の成果を踏まえた実証運転を行うとともに、バイオガス回収量の向上と発酵残渣・発酵廃液発生量の低減が可能な都市型バイオガス化システムを構築する(平成21年度)。

今年度の研究概要

BDF原料の拡大については、燃料中のエステル含有率向上の観点から、多量体エステルもしくはその前駆物質の構造を推定するとともに、それらの物性値を明らかにし、ウィンタリング(wintering)などの除去技術を提示して、ラボ実験により適用可能性を評価する。
バイオマス発酵については、家庭からの分別収集厨芥類を乾式メタン発酵実証プラントに投入して運転を行い、バイオガスや残渣の発生量が分別ごみ組成からの想定値どおりであり、かつ安定した運転が可能であることを昨年度に続き検証する。また、厨芥類の組成毎の発酵試験を実施して発酵特性(メタンガスや残渣の発生量等)に関するデータを取得・整理し、エネルギー回収や残渣発生への寄与を踏まえたごみ収集区分および最適なごみ処理システム(メタン発酵や焼却等の組み合わせ)を検討するためのデータを取得する。なお、発酵試験はメタン発酵単独(超高温可溶化の影響評価含む)および水素・メタン二段発酵を対象とする。さらに、高温メタン発酵汚泥には紙の可溶化能力の高いクロストリジウム属細菌が多く含まれるため、高温メタン発酵汚泥による紙の高効率可溶化技術と可溶化物の利用方法を検討する。加えて、「京都らしいバイオマス」の業界別の実態把握を精緻化するとともに、京都市域に移入する食品資源の窓口である京都市中央卸売市場からの食品廃棄物(現状は循環利用が進んでいない)の年間排出実態を把握し、高効率メタン発酵技術の適用可能性と導入効果ならびに将来の循環利用方策を検討する。

備考

地球温暖化対策技術開発事業(研究代表者:(財)京都高度技術研究所 中村一夫)からの委託
共同研究機関:福島大学,(株)タクマ,日立造船(株)

課題代表者

倉持 秀敏

  • 資源循環領域
  • 副領域長
  • 博士(工学)
  • 化学工学,化学,工学
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担当者