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鉄鋼スラグと腐植物質による生態系修復技術の受容性と環境リスクの総合評価(平成 21年度)
Comprehensive evaluation of acceptability of ecosystem restoration technology by steel slag and humus material and their environmental risks

予算区分
BE 環境-循環型社会
研究課題コード
0911BE009
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
製鋼スラグ,腐植物質,二価鉄イオン,環境影響
キーワード(英語)
Steelmaking slag, Humic substance, Ferrous ion, Environmental impact

研究概要

沿岸海域における磯焼けなどの生態系を修復する手法として、海水中の溶存鉄の不足に着目した製鋼スラグと腐植物質による磯焼け回復技術の開発とその実証が注目されている。製鋼スラグにはふっ素、ほう素、鉛などの有害元素が含まれ、有害金属の環境中の動態や生態系への影響に関する環境リスクの側面も重要である。本研究では、腐植酸鉄の生成に及ぼす微生物の役割を明らかにし、可溶性のフルボ酸鉄の生成促進と長期安定性と環境安全性の総合評価を行い、生態系修復技術としての受容性と環境リスクの両面を重視した技術指針を作成する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

製鋼スラグと腐植物質の相互作用により、環境中で可溶性のフルボ酸鉄を新たに生成させる溶出メカニズムを解明する。また、人や生態系への環境リスクに関わる基礎データを集積し、環境安全性に関わる技術的な指針を得る。さらに、実際の磯焼け海域の海水を利用した海藻生育実験を行い、生態系修復効果の実証と海域環境への影響を明らかにする。以上の成果を総合し、海域の藻場再生を促進させるための化学的、生物学的な検討に基づき、循環型社会に適合した生態系修復技術を開発する。

今年度の研究概要

・様々な製鋼スラグを用いて鉄および有害成分の溶出特性を検討し、環境微生物の観点から腐植物質との相互作用を解明し、環境リスクの同定を可能にする。
・腐植物質中のフルボ酸、フミン酸の分画と錯体形成に関して、その経年変化とその詳細な構造分析を行い、フルボ酸鉄の生成機構を明らかにする。
・海洋を模擬した試験により、最適な腐植物質と鉄(?)の量を推定し、腐植酸鉄の生成機構の解明と生成促進に関する基礎データを集積する。

備考

研究代表者:産業技術総合研究所 駒井武

課題代表者

肴倉 宏史

  • 資源循環領域
    試験評価・適正管理研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 工学
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