ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

同位体希釈法によるウルトラマイクロスケール放射性炭素分析法の開発(平成 21年度)
Development of ultra-micro scale analysis for radio carbon using isotope dilution

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0810AF001
開始/終了年度
2009~2009年
キーワード(日本語)
同位体希釈,加速器質量分析計,放射性炭素,イオン源
キーワード(英語)
isotope dilution, AMS, radiocarbon, ion source

研究概要

加速器質量分析計(AMS)による炭素含有量20μg以下の環境試料に対する14C高精度測定の実現を目指す。大気エアロゾル試料中ブラックカーボン・元素状炭素を分析対象に選び、従来行えなかった超微量測定のためのAMSの高感度化のためのイオン源改良と同位体希釈法を応用した新たな試料前処理法を開発する。自然レベルの放射性炭素をトレーサーに利用することによって、環境中の人為起源・自然起源さまざまな炭素物質の起源や環境中での動態を明らかにすることができる。しかし、AMS測定に必要な試料量を増やす事が物理的に困難な場合はAMSによる測定を断念してきた。そこで、少ない炭素量(20-1µg)でのAMS測定を確立し、今まで測定を断念してきた環境試料のAMS測定を可能にする事を目標とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

AMSによる超微量測定の鍵は、前処理における測定ターゲット(グラファイト)の確実な調整法の確立とAMS測定効率の最適化の2点にある。
1)微量グラファイト調整法の確立のためのグラファイト反応条件検討
グラファイト(C)はガラス真空ラインでCO2を水素で還元して調整されている。
現在、NIES-TERRAでは、他の国内AMS施設が必要とするグラファイト量(1mg)より少ない量(>20µg)でルーチン的な高精度測定を可能にしているが、本研究では、この技術をさらに発展させ、超微量(20-1µg)でのグラファイト調整法の検討を行なう。本研究では、試料由来炭素のみで調整された微量(>10µg)グラファイトでのAMS-14C測定を目指す一方、10μgC以下の試料については、同位体比既知のCO2をサンプルCO2に混ぜ炭素量を増やす同位体希釈法による条件検討を行う。
2)微量炭素試料の高精度測定のためのAMS-14C測定効率の最適化
微量炭素量での高精度測定のため、カリフォルニア大Irvine校のDr. Southonらが中心となって開発したイオン源を用いて、現有のAMSシステムでのイオン化効率の向上を目指す。本システムへのイオン源の導入とビーム調整の最適化のための技術改良を検討する。イオン化効率が上がればAMS-14C測定効率も上がり、格段に超微量測定での高精度測定に有利な条件となる。

今年度の研究概要

今年度は、
1)微量グラファイト調整法の確立のためのグラファイト反応条件検討
同位体比既知のCO2をサンプルCO2に混ぜ炭素量を増やす同位体希釈法による条件検討を行う。
2)微量炭素試料の高精度測定のためのAMS-14C測定効率の最適化

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

加藤 和浩

担当者