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ベイズ統計に基づく化学物質の確率論的生態リスク評価法の開発(平成 21年度)
Development of a Bayesian approach to probabilistic ecological risk assessment

予算区分
LA 共同研究
研究課題コード
0909LA002
開始/終了年度
2009~2009年
キーワード(日本語)
生態リスク評価,ベイズ統計,定量的リスク評価
キーワード(英語)
ecological risk assessment, Bayesian statistics, quantitative risk assessment

研究概要

本研究の主要な目的は以下の三つである。(1)環境中濃度データに検出限界値以下のデータが多く含まれている場合にも種の期待影響割合の信頼区間を含めた推定を行うことのできる手法を開発する。(2)解析データに含まれる分類群グループ毎のデータ数の違いを補正することのできる手法を開発する。(3)開発した手法を適用したケーススタディとして東京都において異なる化学物質がもたらす生態リスクの定量的リスクランキングを作成する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

まず、毒性試験データに含まれる分類群グループ毎のデータ数の違いの補正手法の開発を行う。具体的には、化学物質の毒性影響は各分類群グループ(藻類・甲殻類・魚類)毎に異なると明示的に仮定したベイズモデルを作成し、毒性試験データからそれぞれの分類群グループ毎に対する毒性影響の推定を行う。その後、各グループに対する毒性影響の推定分布を適切な重み付けをしながら結合することにより分類群グループ毎のデータ数の違いを補正する手法を開発する。
 上記の手法により計算した化学物質の生物に対する毒性影響の推定値の事後分布、および林・柏木(印刷中)の階層ベイズモデルより計算した環境中濃度の推定値の事後分布を基に、モンテカルロシミュレーションにより種の期待影響割合の推定分布を算出する手法を開発する。
 上記で開発した手法を用い、実際の東京都の環境中濃度観測データおよび慢性毒性試験からの生態毒性データを用い、鉛・亜鉛・銅・ニッケル・クロロホルム・ビスフェノールA・マンガン・6価クロムの8物質を対象に生態リスクの定量的解析を行い、その結果に基づき東京都における生態リスクの定量的ランキングを作成する。

今年度の研究概要

 

備考

統計数理研究所の柏木宣久教授との共同研究として行った。

関連する研究課題
  • 0 : 環境リスク研究センターにおける研究活動

課題代表者

林 岳彦

  • 社会システム領域
    経済・政策研究室
  • 主幹研究員
  • 理学博士
  • 生物学
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