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地下に漏出した有機溶剤の洗浄剤注入による回収効率と下層への汚染拡散に関する研究(平成 22年度)
Study on recovery of transudated organic solvents to subsurface area and their spreading to lower layer by introduction of washing-reagent-injection remediation

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0711CD331
開始/終了年度
2007~2010年
キーワード(日本語)
土壌地下水汚染,有機塩素系溶剤,重力依存下方浸透,界面活性剤,吸着性,表面張力
キーワード(英語)
SOIL AND GROUNDWATER POLLUTION, CHLORINATED ORGANIC SOLVENT, GRAVITY-DRIVEN MIGRATION, SURFACTANT, ADSORPTIVITY, SURFACE TENSION

研究概要

有機溶剤による地下環境汚染の浄化法の一種である洗浄剤注入法は、界面活性剤溶液を地下に注入して溜まった溶剤を移動回収するため、新たな環境汚染が懸念される。これまでの研究で,ある種の界面活性剤を注入すると、有機溶剤原液が非常に細かな空隙を通過して下層へと移動することが明らかとなった.これは洗浄剤注入により、汚染を下方に拡散させる可能性があることを示している。本課題では、この下方浸透性の増大現象について、どの様な物理・化学的因子が寄与しているのかを明らかにすることを目的としている。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

2007年度(初年度)はガラスビーズを充填したカラムを用いて、ガラスビーズのサイズ、洗浄剤の種類と濃度、有機溶剤の種類の組み合わせによる下方浸透性の差異についてデータを収集する。特に下方浸透の有無を決定する空隙サイズとビーズ表面への洗浄剤の吸着量を詳細に測定し、下方浸透を起こしうる条件を明らかにする。2008年度からはこれらを継続すると共に、実際の砂や土壌粒子を充填したカラムを用いて同様の実験を行い、ガラスビーズで確認された下方浸透へのアシスト現象が実際の地下環境で起こりうるかどうかの判定をするための基礎的なデータを収集する。

今年度の研究概要

21年度から継続して,様々な粒子サイズのガラスビーズを用いて、cis-1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの下方浸透性試験を行い、これらの有機溶剤のビーズ間空隙の通過し易さを比較検討する。また、ガラスビーズ表面への洗浄剤の吸着性試験を行い、ビーズ表面での有機溶剤原液への抵抗圧を指標化することを試みる。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

稲葉 一穂