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重金属汚染土壌の修復を目的とした有用植物資源の活用に関する研究(平成 22年度)
Application of plant resource for remediation of heavy metal contaminated soil

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0811CD002
開始/終了年度
2008~2011年
キーワード(日本語)
セレン,ファイトレメディエーション,ハイパーアキュミレーター
キーワード(英語)
Selenium, Phytoremediation, Hyperaccumulator

研究概要

本申請における研究ではセレン耐性・高蓄積性の性質を付与した遺伝子組換え植物の開発を最終的な目的とする。具体的な内容は北米に自生しセレン耐性・高蓄積性を示すStanleya pinnataというアブラナ科の植物におけるセレン耐性・高蓄積性に関与する遺伝子の特定を行い、その成果を用いてセレン汚染土壌の修復が可能な遺伝子組換えカラシナを育成する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究における最終的な目的としてはセレン耐性・高蓄積性を示し、北米に自生するStanleya pinnata(スタンレア・ピナータ)におけるセレン耐性・高蓄積性に関与する遺伝子の同定を行い、その成果を用いて土壌中・表層水中の汚染物質であるセレンを高効率で除去できる環境修復植物の開発を行う。
 この目標を達成するために、(1) セレン耐性・高蓄積性スタンレア・ピナータとの比較対象となる植物の確立、(2) スタンレア・ピナータにおけるセレン耐性・高蓄積性の獲得に必要な因子の分子レベルでの特定、(3) スタンレア・ピナータにおけるセレン耐性・高蓄積性の獲得に必要な因子の生理レベルでの特定、(4) セレン耐性・高蓄積性の獲得に必要な因子(遺伝子)の他の植物への適用、を行う予定である。

今年度の研究概要

 前年度の研究結果からスタンレア・ピナータにおけるセレン耐性・高蓄積性の獲得に植物ホルモンが関与している可能性が示唆された。
 そこで本年度はスタンレア・ピナータにおけるセレン耐性・高蓄積性の獲得にこれらの植物ホルモンが関与しているかについての研究を行う。具体的にはスタンレア・ピナータ及びスタンレア・アルベセンスをセレン投与、非投与状態で栽培しサンプリングを行う。採集したサンプルのエチレン生成量、ジャスモン酸及びサリチル酸の蓄積量を測定することによりこれらの植物ホルモンがセレン耐性・高蓄積性にどの様な影響を及ぼしているかについての検討を行う。また、これらの植物ホルモンの関与が示唆された場合には、ノンアキュミレーター植物であるスタンレア・アルベセンスにこれらの植物ホルモンを投与数することによりセレン耐性・高蓄積性を獲得することが出来るかどうかについて検証を行う。また、ハイパーアキュミレーター植物であるスタンレア・ピナータに植物ホルモン合成阻害剤(例えばエチレン合成の阻害剤であるaminoethoxyvinyl glycine)を投与してセレン耐性・高蓄積性に影響があるかについても検証を行う。このような研究を通して植物ホルモンの構成的に合成・蓄積がスタンレア・ピナータにおけるセレン耐性・高蓄積性の獲得に必要かどうかを調べる予定である。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

玉置 雅紀

  • 生物多様性領域
    環境ストレス機構研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 生物学,農学,生物工学
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